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1938年・中国大陸 [近現代考古学]

「慶應義塾大学文学部史学科支那学術調査団」

「皇軍慰問を兼ねて支那学術調査団を派遣
本塾大学では此度皇軍慰問を兼ねて支那学術調査を行ふことになり、先づ文学部史学科の考古学班を編成派遣することになつた。一行は北支班及び中支班の二班に分れ、北支班は大学文学部講師大山史前学研究所長大山柏氏、大山史前学研究所々員大給尹氏、及び映画班として東京発声映画製作所々員木村信兒氏外二名のカメラマンを同行し、北京、彰徳、大同、周口店を巡歴し、中支班は大学文学部講師柴田常惠氏、同教授松本信廣氏を中心とし、大学院学生保坂三郎君、大学文学部史学科学生西岡秀雄君、同清水潤三君が之に随行し、上海、金山衛、杭州、湖州、松江、蘇州、南京を巡り、行程約二ヶ月の予定で、北支班は五月八日、中支班は五月十一日東京を出発することになつた」(『三田評論』1938年5月、第489号:39.)

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近現考小史 [近現代考古学]

本ブログのそもそもの初発の動機、「カテゴリー1」である「<遺跡>問題」について、ようやく恩師の追悼論集の末端を汚すものとして印刷所に送ることができた。
そこで、ここいらで、「日本における近現代考古学の研究史」(個別の各論は取りあえず置いといて、総論的なもの)を簡単にまとめておこう。

1952:和島誠一「歴史学と考古学」『日本歴史講座 第1巻 歴史理論篇』
1987:『考古学ジャーナル』第278号、特集「現代史と考古学」
1996:五十嵐彰・阪本宏児「近現代考古学の現状と課題」『考古学研究』第43巻 第2号
1997:桜井準也「高度経済成長期の考古学」『民族考古』第4号
1998:日本考古学協会大会第5分科会『戦争・戦跡の考古学』
2000:五十嵐彰「近現代考古学」『用語解説 現代考古学の方法と理論 Ⅱ』
2000:『季刊 考古学』第72号、特集「近・現代の考古学」
2004:五十嵐彰「近現代考古学認識論」『時空をこえた対話』
2004:桜井準也『モノが語る日本の近現代生活』
2005:メタ・アーケオロジー研究会『近現代考古学の射程』
2005:福田敏一『方法としての考古学』

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「東京の戦争遺跡」 [近現代考古学]

第3回 国際学術シンポジウム
日時:2006年10月7日・8日・9日
会場:NHK青山荘(東京都港区南青山)
主催:「戦争・植民地記憶」研究プロジェクト
メインテーマ:「東京の戦争遺跡」
サブテーマ:「侵略・差別と抵抗の教育」
資料:『東アジア教育文化学会年報』第3号ほか配布資料

「東京には、日本による侵略戦争・植民地主義について、歴史の解明と教育に役立つ戦争遺跡が数多くあります。しかし、戦争遺跡の研究と教育が行われる一方で、それらを利用して戦争を肯定し、推進する動きも活発化しています。戦争と植民地主義、そして差別に抵抗するため、いま必要とされる戦争遺跡の研究と教育のあり方とは何か。それを探るため、靖国神社をはじめとする重要な戦争遺跡に焦点を当て、韓国・中国・日本から参加者を得て対話を行っていきます。」(「案内チラシ」より)

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既視感 [近現代考古学]

デジャ・ヴュー(deja vu):本来の意は、「一度も経験したことがないのに何時か経験したことがあるような感覚」であるが、転じて「変わりばえのしない、既に見たような、二番煎じ」といった事柄を形容するのに用いられている。

『朝日新聞』夕刊、水曜日、文化欄、「晴れときどき歴史」、近現代考古学の話

第1回「発掘で甦る土地の記憶」(2006-9-6):宮ヶ瀬遺跡群長福寺跡出土資料の紹介。「調査を担当した市川正史氏によると、これらの西洋遺物を使用したのは横浜の外国人居留地で暮らしていた外国人であったという。」「失われた「過去の記憶」を取り戻すために近現代遺跡の発掘調査の成果に期待がかけられる場合もある。」

「期待がかけられる場合もある」の「も」に引っ掛かってしまう。「期待がかけられる場合も」あれば、「期待がかけられない場合も」あるのだろうか? そして「期待がかけられない発掘調査」とは、いったいどのようなものなのか?

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17 エピローグ [近現代考古学]

Chapter17 Epilogue.(Ian Hodder):189-191.

I.ホダー氏は、アメリカ・スタンフォード大人類学部の所属、そして本論は、本論文集の最終章、まさに「納め口上」である。

近現代考古学の目的は、学問の定義と存在に関する異議申し立てそのもの(challenges the very definition and existence of the discipline)である(p.189)。
考古学という学問は、現代に対する探求の特殊な形(a particular mode of inquiry into the present)として、再定義しうる。考古学は物質痕跡の体系的記録化(the systematic recording of material traces)あるいは脈絡に関連した対象物の研究(the study of objects in relation to contexts)、さらには「ものの表面下を掘り出す」(digging beneath the surface of things)ことを通じて他の諸学問を結びつけるような新しいタイプ(の学問)を作り出すものとして再定義される。そうしたとき、明確に残りうるものとは、方法(method)、問いかけの特殊な形(a particular mode of inquiry)でしか有り得ない(p.190)。

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大量埋葬地論(続) [近現代考古学]

大量埋葬地を調査対象とする際には、様々な要素が複合的に絡み合っており、そのことが大量埋葬地における現在の性格を規定している。

1919年4月15日:朝鮮・堤岩里
1923年9月:日本・東京近辺
1932年9月16日:朝鮮・平頂山
1937年12月13日:中国・南京
1944年6月10日:フランス・オラドゥール
1945年8月:中国・海南島三亜市郊外
1968年3月16日:ベトナム・ソンミ
2004年4月11日:イラク・ファルージャ

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大量埋葬地論 [近現代考古学]

東京・新宿の高麗博物館にて、「特別展示 海南島で日本は何をしたか -戦時朝鮮人強制労働・虐殺 日本軍『慰安婦』-」が開かれている(2006年5月17日から7月16日まで:新宿区大久保1-12-1第2韓国広場ビル7階)

「特別企画展を開催するに当たって
昨年の8月、高麗博物館では「朝鮮人戦時労働動員(強制連行)を考える」と題した企画展を開催しました。今回はその海外版として、日本占領下の海南島における朝鮮人強制労働・虐殺を中心とした企画展を開催します。「海南島」の特色は、朝鮮半島各地の刑務所に収監されていた受刑者が動員されたことと多くの人たちが虐殺されたことです。今リゾート地として脚光を浴びている海南島で起きた朝鮮人強制労働・虐殺の悲劇に蓋をすることなく、掘り起こすことによって、和解と新しい関係構築の道を探り、同時に、日本の歩むべき道をさがしたいと思います。この企画展は、「海南島」について長い間現地調査を続けてこられた「紀州鉱山の真実を明らかにする会」からの快い資料提供により可能となりました。」(案内チラシより)

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16 同時代過去の考古学 [近現代考古学]

Chapter 16 The archaeology of the contemporary past.(L.Olivier(trans. by V.Grieshaber):175-188.

L.オリビエール氏は、フランス・サン=ジェルマン=アンレイ国立古代博物館所属である。

冒頭、C.ランツマンの『ショアー』におけるシモン・スレブニクの言葉が引用されている。
「見分けがたくなってしまったが、でもここだ。
ここで、人間を焼いていたのだ。
大勢の人間が、ここで焼かれた。
そう、たしかにここだ・・・
それを物語ること(raconter)は、できない。
だれもここで起こったことを想像すること(se representer)は、できない。
そんなことは、不可能だ。
だれもそのことを、理解できない。
わたし自身、いまでも・・・」

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15 存在している不在(3) [近現代考古学]

考古学的行為の創造性(The creativity of the archaeological act):173-174.

欠如の存在化(the presencing of absence)とは、バトラーが言うように「もの」(matter)を作り出すということ、考古学的行為を通じて物質化するということである。
創造的物質化あるいは「もの」作業(creative materialising or 'mattering' works)は、バトラーの言う行為遂行性(performativity)やネルソン=マンデラの歩道やサモラ=マシェルの墜落現場といった「非物質的」記念物('immaterial' monuments)を通じてなされる。
こうした創造的介入(creative intervention)は、「デザイン」され、挑戦し、文字通り現状を再構成させることで、特権的な前提(伝統的な考え方)に対して、社会的にも物質的にも異議申し立てを行う。

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15 存在している不在(2) [近現代考古学]

批判的経験主義(Critical empiricism):172-173.

こうした治療的遭遇(therapeutic encounter)は、批判的経験主義と称される考え方によって促進される。

批判的経験主義?
これは恐らく(正確には哲学系?の方にお聞きしなくてはならないのだが)バクリ&ルーカスの造語ではなかろうか。あちこち捜したのだが、見当たらない。
だから、これといった説明が困難である。挙げられている人物の名前をなぞりながら、それらしき輪郭を描いていくしかない。

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