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山本ほか2022『考古学概論』 [全方位書評]

山本 孝文・青木 敬・城倉 正祥・寺前 直人・浜田 晋介 2022『考古学概論 -初学者のための基礎理論-』ミネルヴァ書房

「本書は、考古学を学びはじめた初学者が主な読者となること(を?)前提としたもので、この分野に初めて接する人が、前提なしでその学問的内容を理解するのに適したテキストとして書かれたものである。学問としての考古学を学ぶ際に知っておくべき最低限の基礎理論の内容をまとめており、学習初年次の考古学の入門系授業に対応する内容が想定されている。」(山本:i)

70年代生まれの方が4人、50年代生まれの方が1人による総じて若い世代によって記された久々の教科書である。順に見ていこう。

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五十嵐2022a「多摩ニュータウンNo.234遺跡」 [拙文自評]

五十嵐 2022a「多摩ニュータウンNo.234遺跡」『たまのよこやま』第128号:6.

所内報(東京都埋蔵文化財センター報)の連載記事「1/964」に「何か書いて下さい」と頼まれて記した短文である。
連載の趣旨が、表題の下に記されている。

「多摩ニュータウン地域では、964ヶ所もの遺跡が確認されています。その中から調査担当者の記憶に深く残る遺跡について、リレー方式で振り返っていきます。」

ということで私が選択したのは1994年に調査した「No.234」という小さな「遺跡」である。
今回の私の担当で、リレーしてきて51番目になる「長寿番組」である。
シリーズの副題には、「多摩ニュータウンの発掘調査を振り返る」と記されている。
今まで記されてきた50回にわたる文章は、おそらくそれぞれの担当者が記憶に残る「遺跡」を一つの単位として、選択した「遺跡」の内容を記したものである。
しかし私の文章はそうした個別の「遺跡」の内容もさることながら、数字が与えられた「遺跡」の存立根拠そのものを問う内容となった。いや、そうならざるを得なかった。
長い間お世話になった組織に対する私なりの現役最後の「恩返し」である。

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尾田2022「旧石器研究における石質資料の導入とその意義」 [論文時評]

尾田 識好 2022「旧石器研究における石質資料の導入とその意義 -母岩資料分析の課題解決に向けて-」『研究論集』第36号:1-18. 東京都埋蔵文化財センター

「本稿では、これらの問題の根底をなす「個体別資料」(「母岩別資料」)の分類に関する問題に焦点をあてる。「曖昧」、「不確実」と指摘されることがあるその分類に対して、北海道の旧石器研究で既に実施されている石質分類の本格的な導入を提案する。石質資料を主体とした分析の有効性と限界を述べたうえで、石質資料から母岩資料を推定するための資料操作の方法と基準を検討し、その課題解決を図る。」(2.)

「「曖昧」、「不確実」と指摘されることがあるその分類」とは、「「個体別資料」(「母岩別資料」)」のことだが、「「曖昧」、「不確実」と指摘されることがある」とはどういう意味だろうか。
「「曖昧」、「不確実」と指摘されることがある」が、「「曖昧」、「不確実」と指摘されないこともある」ということなのだろうか。
すなわち誰か「「個体別資料」(「母岩別資料」)」の分類は、「「曖昧」ではない、「不確実」ではない、すなわち「明瞭」で「確実」である」と述べている研究者がいるのだろうか。
「「曖昧」、「不確実」とされることがあるその分類」と「「曖昧」、「不確実」とされるその分類」と「「曖昧」、「不確実」なその分類」とでは、それぞれ僅かな語句の違いであるが、それぞれの隔たりは当初考えていたよりも遥かに大きいことが徐々に分かってきた。

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中国から略奪した文化財の返還を求める緊急集会(報告) [研究集会]

中国から略奪した文化財の返還を求める緊急集会 -日中国交正常化50周年企画-

日時:2022年 4月 20日(水)15:00~19:00
場所:衆議院第一議員会館 地下1階 大会議室
主催:中国文化財返還運動を進める会

1.総合司会(藤田 高景)
2.主催者代表挨拶(纐纈 厚)
3.来賓挨拶(笠井 亮・新垣 邦男・高良 鉄美)
4.講演-1
 「日本の侵略と日中国交正常化50年 -中国に再び戦争をしかけてはならない-」(高野 孟)
5.独唱 日中友好の想いをこめて(田 偉)
6.講演-2
 「文化財返還運動から見通せること」(五十嵐 彰)
7.発言(吉田 邦彦・鄧 捷・凌 星光)
8.閉会挨拶(東海林 次男)

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木下1928「売りに出た首」 [論文時評]

木下 杢太郎 1928「売りに出た首」『アルト』(1949『売りに出た首』角川書店:39-40.所収)

「ところでその中(山中商会1928『支那古陶金石展観』:引用者)に天龍山の石仏の首が四十五個あるのだとよ。目録の序に「就中学界に宣伝せらるる天龍山の石仏彫刻のコレクションの如きは本展観の出品中最も誇とする處のものにして……宛然彼の天龍山石窟を茲に移したるが如き観ある云々」と書いてあるのは過言ではない。
四十五個といへば、天龍山の彫刻像の殆ど全部と云ってよい。かうも一つの手に全部揃ったことは蒐集者の非常な努力と謂ふべく、せめてそれが散らばらないで、一つの国民的の博物館(なるべくは日本の博物館に欲しいが、とてもそんなわけには行くまい。個人の金持に分配せられるよりもアメリカあたりの金のある美術館に皆買占められた方が好い)に集めとられて欲しいことだ。

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谷口2021『土偶と石棒』 [全方位書評]

谷口 康浩 2021『土偶と石棒 -儀礼と社会ドメスティケーション-』雄山閣

ここでは、書名「土偶と石棒」という両者の一方のみ、それも緑川東出土の大形石棒を巡る記述についてのみ論じる。

「東京都緑川東遺跡では、4本の完形の石棒が長径約3.3m、短径約3.1mのほぼ円形の敷石遺構の床面レベルに埋設された状態で発見された(図12、株式会社ダイサン編2014)。石棒は103~112cmの安山岩製で、一段笠形が1本、二段笠形が3本ある。左右に2本ずつ、頭部を揃えた状態で埋設されている石棒の下層と上層から出土した北白川C式土器・中津式土器から、中期末ないし後期初頭と推定されている。発掘調査報告書によると、先に作られた敷石遺構の中央部分の石材を取り出した後に、4本の石棒が並べて埋設されたと解釈されている。しかし、敷石遺構を再利用する形で石棒が埋設されたという出土状況の解釈には疑問も提起されている。五十嵐彰は、敷石遺構を構築する際に石棒を用材の一部として取り扱ったという解釈もあり得るとの見方を示すとともに、「樹立される石棒」という研究者の先入観によって出土状況の解釈が歪められていることを指摘している(五十嵐2016・2019)。
緑川東遺跡の事例については第7章であらためて取り上げるが、筆者はこれらの石棒の頭部形態や石材が一様でない点に注目しており、製作・入手の時期が異なる製品が、中期末ないしは後期初頭にここにまとめて遺棄されたものと考えている。それはちょうど至近距離に位置する向郷遺跡で、中期中葉から継続していた環状集落と集団墓の造営が終息する時期にあたり、向郷集団が保有していた石棒がまとめて遺棄された可能性がある。」(60-61.)

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鈴木2003『好古家たちの19世紀』 [全方位書評]

鈴木 廣之 2003『好古家たちの19世紀 -幕末明治における<物>のアルケオロジー-』シリーズ 近代美術のゆくえ、吉川弘文館

「ここで採る正反対の方法とは、ひとことでいえば、非連続の要素のなかに未発の可能性を探り出そうとする行き方だといえる。つまり、現在ある秩序に接ぎ木されずに断絶し、埋もれ去り捨て去られた要素や価値、あるいは挫折した試みの方に多くの注目を向けることだ。敗北した試みのなかには、その時代が直面していた課題がより鮮明に見出せるだろう。失敗した試技の方がハードルの位置と高さを検証しやすいからだ。
このようにして、埋もれたままの要素や価値を探り出し、忘れられたままの試みを掘り起こす作業を粘り強く進めれば、類別され階層化された古い物の世界が重なり合い、堆積するようすが見えてくるように思う。そして、それらの地層に試錐することは、その世界の一つひとつがもっていた課題と可能性を掘り起こし見出すことになるだろう。このような作業は、現在ある秩序に普遍的な価値を見出すのではなく、反対に、それが歴史的なものであることを明らかにし、その秩序が構造的に抱えている捩れや歪みを見とおすことになるだろう。」(22.)

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金丸2002「曲論の系譜」 [論文時評]

金丸 裕一 2002「曲論の系譜 -南京事件期における図書掠奪問題の検証-」『立命館言語文化研究』第14巻 第2号:123-138. 立命館大学国際言語文化研究所 編

「曲論」とは、「正しくないことを正しいかのように言い曲げる論」である。

「この小論では、近年の「南京大虐殺事件」(以下「南京事件」と略す)時期に頻発した、日本による掠奪問題をめぐる研究に焦点をあわせ、幾つかの新しい「神話」が創作される過程を詳細に検証してみたい。その際、考察の対象は文化財、とりわけ図書・雑誌に対する「掠奪」の問題に限定していく。」(123.)

筆者が1997年12月に台北で開催された「南京大屠殺六十周年国際学術シンポジウム」に出席して趙 建民の発表を聞いたことが、本論形成のきっかけであった。

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梶村1982「海がほけた」 [論文時評]

梶村 秀樹 1982「海がほけた -山口県長生炭坑遭難の記録-」『在日朝鮮人史研究』第10号、在日朝鮮人運動史研究会(1993『梶村秀樹著作集 第6巻 在日朝鮮人論』明石書店:108-126.所収)

「太平洋戦争の始まる直前の頃、山口県宇部市の長生炭坑(当時の吉敷郡西岐波村、床波駅の南0.4km、山口市と宇部市を結ぶ県道から0.5kmの地点)で大きな事故があった。長生炭坑も、沖の山、東見初等、宇部炭田の他の炭鉱と同様に海底炭鉱であったが、岩盤が崩れて海水が侵入し水没してしまったのである。何百人という規模の犠牲者を出し、しかもその大半は朝鮮人労働者であったと思われるが、当時事故の公表は一切禁じられ、その事実すら殆ど知られていない。
縁あって、この事故を直接体験し、九死に一生を得た李鍾天氏のお話を聞くことができた。」(108.)

地道な市民運動がなされている。
取材レポートが公開されている。

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木村2007「文化遺産イデオロギーの批判的検討」 [論文時評]

木村 至聖 2007「文化遺産イデオロギーの批判的検討 -近代西欧の廃墟へのまなざしを手がかりに-」『ソシオロジ』第51巻 第3号(158号)3-19.社会学研究会

「…文化遺産イデオロギーとは、本来様々な可能性に開かれているはずの「痕跡」から見知らぬもの、理解できないものといった異質性・他者性を排除し、そこから近代的社会秩序あるいは自己の同一性を維持するための肯定的価値づけのみを取り出していく「同一化思考」のことなのである。」(7.)

世界遺産選定にあたって「国の名誉に関わる」などと発言している人は、アウシュヴィッツ=ビルケナウなど「負の世界遺産」など想像できないだろう。
ある立場の人たちからすれば、こうした事柄は「自虐史観」による産物以外の何ものでもないだろうから。

どうしても「佐渡金山」を世界遺産に登録したいのならば、「花岡鉱山」と組み合わせた構成資産化が唯一の方策だろう。
「佐渡金山」については、新潟県相川町(現 佐渡市)1995『佐渡相川の歴史 通史編 近・現代』が基本文献である。

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「返還する」とはどういうことなのか?(報告) [研究集会]

「返還する」とはどういうことなのか?
  -特に朝鮮半島由来の文化財をめぐって-

 高麗博物館開館20周年記念講演会

日時:2022年 2月 19日(土)14:00-16:00
場所:高麗博物館(東京都 新宿区 大久保1-12-1 第2韓国広場ビル7階)
主催:同上

以下は、当日会場で配布した資料(一部改変)。

「文化財」と呼ばれている「もの」は、文化の記録であると同時に、野蛮の記録でもある。
文化財自体が野蛮から自由ではないように、文化財が人の手から手へと次々と渡ってきた伝達の過程も、野蛮から自由ではない。(ヴァルター・ベンヤミン1940「歴史哲学テーゼⅦ」)

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宮本編2015『遼東半島上馬石貝塚の研究』 [考古誌批評]

宮本 一夫 編 2015『遼東半島上馬石貝塚の研究』九州大学出版会

「第1回の日本学術振興会の調査は1941(昭和16)年3月末から4月中旬にかけて行われた。隊長は梅原末治(京都帝国大学教授)であり、隊員は長谷部言人(東京帝国大学理学部教授)、八幡一郎(東京帝国大学理学部講師)、島田貞彦(旅順博物館嘱託)、森修(旅順博物館嘱託)、澄田正一(京都帝国大学大学院生)、澤俊一(朝鮮総督府学務部嘱託)からなる(図版26)。」(宮本「発掘調査の経過」3.)

1941年3月から4月にかけて遼寧省で日本の考古学者たちが発掘調査をしていた。
1941年当時、中国戦線の状況はどのようであったのか?
歴史の授業で余り教わった記憶もないので、少し記しておこう。

1月-2月:予南作戦(河南省南部)日本第11軍第3師団ほか vs 中国第5戦区第31集団軍ほか
3月-4月:錦江作戦(江西省)日本第11軍第33師団ほか vs 中国第9戦区第19集団軍ほか
5月:江北作戦(湖北省)日本第11軍第3師団ほか vs 中国第5戦区22・55集団軍
5月-6月:中原会戦(山西省南部)日本北支那方面軍第1軍 vs 中国第1戦区第5集団軍ほか

要は、中国大陸のあちこちで日本軍と中国軍の熾烈な戦闘が繰り広げられていたということである。
この間3年前から始まった重慶に対する爆撃も頻繁に行われていた。
そして12月には真珠湾攻撃に至り、中国戦線は泥沼化の様相を呈するに至る。
そうした中での発掘調査である。

「昭和三年一月一日以降において、日本軍によって占領された連合国の領土内で日本軍の庇護の下に、学術上の探検あるひは発掘事業を指揮し又はこれに参加した者」は「教職不適格者として指定を受けるべきものの範囲」の「審査委員会の審査判定に従う者」として示されていた(1946年「勅令第263号」『官報』第5790号)。

しかし本書には、そうした経緯は一切記されていない。

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「返還する」とはどういうことなのか?(予告) [研究集会]

「返還する」とはどういうことなのか? -特に朝鮮半島由来の文化財をめぐって-

日時:2022年 2月 19日(土)14:00-16:00
場所:高麗博物館(新宿区 大久保1-12-1 第2韓国広場ビル7階)
開催形態:参加費 1000円 会場20~25名 オンライン100名
主催:認定NPO法人 高麗博物館(03-5272-3510)
申し込み:電話あるいはホームページから

「共生社会の実現をめざして -わたしたちの31年-」と題された開館20周年記念企画展(2021.12.8~2022.3.6)に合わせた3回の講演会の2回目という位置づけである。

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タグ:文化財返還
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池田2000「物神化する文化」 [論文時評]

池田 光穂 2000 「物神化する文化 -文化遺産のグローバルな流通について-」『三田社会学』第5号:17-28.

「事物の社会分析は、社会的な想起とは何であるか、想起にもとづく個体の行動はいかなるふうに社会に影響をもたらすのか、ということを我々に教えてくれる。事物は審美的な観想の対象となることをやめて、我々の記憶に直截的に訴えかける政治的な事物として立ち現れる。本稿では、遺跡や考古学遺物そのもの、あるいはそれらの文化表象の地球規模での流通という経験的現象を検討することを通して、事物が歴史的に与えられてきた価値というものが社会的合意を得られなくなってきた現代的状況について把握し、かつその理由を探求する。」(18.)

「事物の社会分析」は、第2考古学にとって中心的課題である。
中南米をフィールドとする文化人類学者の意見を見てみよう。

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全ての侵略略奪発掘による出土品を即時各国人民に返還せよ! [総論]

全ての侵略略奪発掘による出土品を即時各国人民に返還せよ!
「日本考古学協会」春の総会へのアピール ー日本学術会議の責任回避を糾弾するー
1973年 8月 15日 発行『地域と文化財』第3号、文化財問題研究会 発行、<地点>編集委員会 編集:28-29.

「日本考古学協会春の総会、研究発表、そして報告書展示即売会の場に集まられた研究者の皆さん、学生諸君!
とりわけ、ここ二、三年にわたる私たち「文化財問題研究会」の呼びかけに耳を借された皆さん!
私たちは「高松塚古墳壁画」を契機としたチョソン考古学者の来日を経験し、そして「中国文物展」を目前にひかえた今日、さらに声を大きくして「全ての侵略略奪発掘による出土品を即時各国人民に返還せよ!」と叫びたく思います。

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植民地・占領地から収奪した文化財の返還を! [研究集会]

本郷文化フォーラム ワーカーズスクール(HOWS)2021年度後期 国境を超える人民連帯の道を探る

「万国の労働者団結せよ!」は『共産党宣言』締めくくりのスローガン、「万国の労働者と被抑圧民族団結せよ!」はコミンテルン第2回大会のスローガンだ。こんにち、このスローガンが切実に問われている。それは、帝国主義と不可分の植民地主義をあぶり出さずにはおかない。侵出企業・略奪文化財・日朝関係、これらのテーマから、帝国主義と植民地主義の歴史と現状を問い、国境を超える人民連帯の思想を掘り起こす。」(主催者開催趣旨

日時:2022年 1月 15日(土)13:00-15:30
場所:HOWS(東京都 文京区 本郷3-29-10 小川町企画)
主催:本郷文化フォーラム ワーカーズスクール(HOWS)

「植民地・占領地から収奪した文化財の返還を!」(五十嵐 彰)
【キーワード】 想像力・由来・戦利品・国宝・価値

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博物館倫理 [総論]

財団法人 日本博物館協会 2011『博物館倫理規定に関する調査研究報告書』平成22年度 文部科学省委託事業 生涯学習施策に関する調査研究

「博物館を巡る状況の変化に適切に対応しつつ、博物館がその本来の目的や機能を果たし、公益性を確保していくためには、改めて、博物館の運営や活動の主な担い手である学芸員をはじめとする博物館関係者がその職務を遂行していく上で、拠り所として共有できる行動の指針が求められている。ICOM(国際博物館会議)や欧米諸国では、その重要性が認識され、既に博物館に関する倫理規定の制定という姿で先行している。
しかしながら、我が国では一部の博物館や博物館関係団体を除いて博物館に共通する指針としての倫理規定は未だ策定されていない。倫理規定に関する博物館関係者の理解や意識も十分でない状況である。」(「はじめに」:i.)

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寒中見舞2022 [雑]

コロナ禍も2年が経過しました。
こちらよりもあちらの方が上手であるということを、多くの人が何となく感じているのではないでしょうか。
そろそろコロナ以前がどんな風だったかも朧げになりつつあり、ウィズ・コロナがこれからもしばらく続くのではないかと思わざるを得ません。
どうやら歴史の時代区分として
2019年以前と2020年以後で大きく区切られることになりそうです。

自然の脅威に対して人間が出来ることは、ほんの僅かです。
台風やハリケーンの進路を変えることは出来ません。
進路すら、大まかな予想円で示すことしか出来ません。
火山の噴火を防ぐことも出来ません。
ましてや人間が太平洋プレートやフィリピン海プレートの沈み込みを止めることは出来ないので、予想される南海トラフ地震の発生を止めることは出来ません。

出来ることは、そうした破局的な状況が予想される場所(日本列島全体が地震帯です)に制御不能となるような危険な施設を設置しないことです。
設置してしまった施設は、一刻も早く撤去することです。
大地が揺れる度に「原子力発電所に異常はありません」といった知らせを聞かされる状況を終わりにすることです。

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タグ:寒中見舞
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Ertl & Yoshida 2020, 2021 Archaeological craftwork [論文時評]

Ertl, John & Yoshida Yasuyuki 2020, 2021 Archaeological craftwork: ethnography of archaeology at Suwahara site, Hokuto city, Yamanashi 2019, 2020(山梨県北杜市諏訪原遺跡における考古学の民族誌2019, 2020)『慶応義塾大学日吉紀要. 人文科学』第35号:137-170. 第36号:37-76.)

金沢大学で意欲的な試みをされていたコンビの最新作である。
遠くからその作業を見守っていたが、より近くに場を移された。お会いできる時を楽しみにしている。

ただし全文が英文である。海外に向けて発信するには英文が最適である。しかし日本国内に向けて、例えば『考古学ジャーナル』や『縄文時代』といった刊行物に親しんでいる人たちに対しては、筆者たちが意図する内容が届く可能性が日本文と比較して格段に低下するのは否めないだろう。

Ethnography of Archaeological Excavation, Laboratory Analysis, and Site Development と題する科研(基礎研究(B) 文化人類学・民俗学関連)5ヵ年計画(研究期間:2019-2024)の経過報告である。

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吉田2021「世界の趨勢から見た、先住民族の権利保護及び謝罪の理由・意義」 [論文時評]

吉田 邦彦 2021「世界の趨勢から見た、先住民族の権利保護及び謝罪の理由・意義 -民法の観点から(人類学との学際交流を踏まえつつ)-」『北大法学論集』第72巻 第1号:1-48.

本稿は、2020年6月26日開催「北大遺骨返還謝罪要求教員有志勉強会」および7月11日開催「先住民族問題研究会」における報告に基づく。

「北大は、琴似コタンのアイヌを駆逐して、同大学ができていることを記そうとしない。しかもアイヌ遺骨盗掘について、謝罪しようとしない。これに対して、今アメリカ合衆国の著名大学で、奴隷制との関わりで(広い意味での)補償がなされているのと、対照的である(少なくとも、過去の奴隷制との関わりの不正義の事実を明らかにし、関係者の名前を削除したり、紋章を変えたり、さらには、関係者(子弟)に「優遇措置」(affirmative action)を行うなど)。「教育機関」として、どうしてこれを機に新たな動きを起こさないのか。何故、過去の不正義に未だ目をつぶろうとするのか、ここでは批判的に考えてみたい。」(7.)

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