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セミナー#1「文化財返還」 [セミナー]

第2考古学セミナー(第3期)#1 「文化財返還問題予行プレゼン」

日時:2011年5月18日(水) 6:30~8:00ごろ

新たな若い友人と出会い、意見を交わすことができた。
予行プレゼンに対しても、有益な意見・アドバイスを頂くことができた。
ありがたいことである。

開放/解放的で自由な討議の<場>を。
孤立する個々が出会い、抵抗の拠り所となるような<場>を。

以下にこの春、若い友人たちに贈った言葉を掲載する。

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第2考古学セミナーのお知らせ [セミナー]

第2考古学セミナー(第3期)を行ないます。

日時:5月18日(水) 午後6時30分から
場所:慶應義塾大学三田キャンパス研究室棟地下1階民族学考古学演習室(B124)
    (研究室棟入口入ってすぐの階段下りて右側の通路右方向に進んだすぐ右手の部屋です。
     奥のドアからお入り下さい。)
内容:今後の打ち合わせ 及び
    5月29日発表予定「文化財返還問題の経緯・現状・課題」の予行プレゼン(五十嵐)

第1期(2006~2008)@虎ノ門、第2期(2009~2010)@豊田、そして第3期(2011~)@三田。
第2考古学に関心のある方ならどなたでも、老若男女問わず大歓迎です。事前申し込み不要。
場所が分からない方は、お問い合わせ下さい(090-1269-1328)。

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第8回準備会(報告) [セミナー]

時空間を考える考古学 

目の前に雑多に無秩序に並ぶ品々を物事を、時間と空間の升目に並べることで、初めて筋書きができる。
命題1:時間区分と空間区分は、切り離せない。
命題2:線引き(場の区分)と<もの>の選択(対象・非対象)も、切り離せない。

まず空間配置について。
例えば南北に長い日本列島に所在する都道府県リストを作成する。北から南へ。北海道、青森、岩手、秋田・・・ しかし新潟と千葉とどちらを先にするか、単に甲信越という区分に従えばいいというものではないだろう。
東西に細長い東京都の市町村リストを作るとする。東から江戸川、葛飾、足立、墨田、江東、荒川、台東、中央・・・ 豊島と新宿とどちらを先にするか、東から西の原則に北から南へという副原則を加味しても、誰もがすっきりと納得した形で並べるのは容易ではない。

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第8回準備会(予告) [セミナー]

第2考古学会議 第8回準備会

日時:2010年6月5日(土)2時~5時
場所:東京都日野市勤労青年会館1階和室会議室(JR中央線豊田駅北口徒歩1分)
内容:五十嵐「時空間を考える考古学」

先史・古代中心あるいは偏重という傾向は、近世・近現代軽視あるいは排除と表裏一体である。
時間軸に応じた価値の傾斜配分そして調査方法
すなわち先史・古代の古物は悉皆、対して近世・近現代の新物は選択
それは相手の物量に応じたやむを得ない対処策とも言える。
しかしそれだけなのだろうか。
その裏には、文字史料(文献)との相関関係に基づく有効性という考古学の暗黙の自己規定があるのではないか(泉2009【2010-5-20】参照)。
最近感じるのは「古代ロマン」に依拠した訴求力の減衰である。
対して「昭和レトロ」の活性化である。
「適度なリモート」に安住する「断絶史観」に「先史延長主義」に可能性はあるのか。

予告も連絡も、要りません。
関心のある方は、是非ご参加下さい。
考えを述べ合うことで、考えを深めていきましょう。


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第7回 準備会(感想) [セミナー]

後藤 今の所は山内君でも、九州と東北地方とは古墳文化の波及が同時だとは云はないんだらう。つまり私とはその時間的開きの長さが異うといふことになるのだらう。
山内 時間の開きの差と共に縄紋式及びその以降の日本的な文化との本態、両者の交渉如何に関して殆ど全面的な見解の相違を伴ふのではないのでせうか。中央以北の縄紋式の中期以後が弥生式又は古墳時代と交渉を持ち住民が雑居して居たと云ふのと、縄紋式の終末が全国大差なく、その終末の尠少の期間にのみ弥生式の古い部分と接したと云ふのではね。」(1936「座談会 日本石器時代文化の源流と下限を語る」『ミネルヴァ』第1号:40.)

今から74年前、当時僅か34歳の少壮考古学者が、48歳の帝室博物館鑑査官から示された近似的な同意を求める申し出をキッパリと拒絶し、自らの信念を改めて表明した一シーンである。

谷口 さっきの集落の話にしても、大きな見方や問いの立て方を変えれば何を評価すべきで、何が重要なものかについてのとらえ方が変わると思いますけど。
小杉 大きな見方を無条件に前提とするような教育をわれわれは受けてきて、それを当たり前の前提とした個別の議論をやっているからなかなか変わらないんですよ。そこをいかに自覚するかが大変な作業だと思うんです。
 そこを抜け出すには、理論的なことではなくて、個別の実践の中からそれに見合うかたちでの成果を出す以外にアプローチの仕方がないのじゃないか。もちろん、理論的な議論も進められるべきだとは思いますが、やはり実践的な個別研究をそういう観点で進めることにおいてのみ、成果が蓄積されていくるのじゃないかということですね。」(2010「座談会 縄文研究の新地平を求めて」『縄文時代の考古学 12 研究の行方 -何が分からなくて何をなすべきか-』:244.)

こちらは50歳前後の研究者たちが、「研究の現状をどう理解し、また将来についてどんな展望をもっているかを語ろう」という趣旨の中での発言である。

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第2考古学会議 第7回準備会(予告) [セミナー]

第2考古学会議 第7回準備会(予告)
日時:2010年3月20日(土)14:00~17:00
場所:八王子市中央大学4号館4354号室
発題:小林謙一
内容:縄紋中期集落研究と遺跡問題・時間問題

近くに「危ない」と言われる交差点がある。そこには、急ブレーキをかけた際に記された様々な「タイヤ痕跡」が残されている。しかし、誰もこうした「タイヤ痕跡」が「同時」に形成されたとは思わない。
それでは、<遺跡>と呼ばれる場所に残されている「生活痕跡」は、どうだろうか?

〔追記〕
当初の記事では、第7回準議会の開催日を「3月27日」と誤った情報を記してしまいました。
正しくは、「3月20日」です。お詫びして訂正いたします。(2010-03-16)


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考古学的還元(第6回準備会報告) [セミナー]

【発題】
佐藤啓介氏 「《遺跡》の価値?―美学から見た遺跡問題、倫理学から見た遺跡問題」
         1.アートと考古学
         2.《遺跡》と美的価値
         3.排除される死の臭い

遠部慎ほか2009「現代アートと考古学 第5回「犬島時間」参加記」『考古学研究』55-4に対する異論、すなわち「なぜアートイベントという場に「いかにも考古学」という形でしか参加できなかったのか?」という問題提起から、<遺跡>問題に切り込む。

「《遺跡》問題は、美的価値から考える余地がある。」
「なぜ《遺跡》問題を考古学の占有物にするのか?」という強烈な問いかけである。

そして「考古学的還元」という考え方。

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第2考古学会議 第6回準備会(予告) [セミナー]

日時:2009年11月7日(土) 午後2時~5時
場所:日野市勤労青年会館1階和室:JR中央線豊田駅北口徒歩1分、会場アクセスは「日野市ホームページ」から「施設案内」タブ→「主要施設のご案内」→「その他一覧」→「勤労・青年会館」(下から6番目)をクリック
発表:佐藤啓介氏「《遺跡》の価値? ―倫理学から見た遺跡問題、美学から見た遺跡問題」

倫理などというと、「車内マナーにご協力下さい」みたいな、さきの倫理綱領ぐらいしか思い浮かばない。
美学といっても、「芸術は爆発だ」の火炎土器とかヨーロッパの洞窟壁画ぐらいしか思い浮かばない。
さて、これら二つをいかにして「遺跡問題」に結びつけるのか。

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第5回 準備会 [セミナー]

文化財保護法(1950年5月30日法律第214号 最終改正2007年3月30日法律第7号)
第六章 埋蔵文化財
「第九十三条 土木工事その他埋蔵文化財の調査以外の目的で、貝づか、古墳その他埋蔵文化財を包蔵する土地として周知されている土地(以下「周知の埋蔵文化財包蔵地」という。)を発掘しようとする場合には、前条第一項の規定を準用する。」
「第九十六条 土地の所有者又は占有者が出土品の出土等により貝づか、住居跡、古墳その他遺跡と認められるものを発見したときは、第九十二条第一項の規定による調査に当たつて発見した場合を除き、その現状を変更することなく、遅滞なく、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもつて、その旨を文化庁長官に届け出なければならない。」(下線引用者)

93条では「埋蔵文化財を包蔵する土地として周知されている土地」という同じ単語が二度も繰り返されるような冗長句が用いられているのに、96条では一転して「遺跡」なる慣用語に置き換わってしまう。
あえて置き換える理由とは何か? まさか例示されている「貝づか、古墳」が「包蔵地」に相当し、これらに「住居跡」が加わると「遺跡」になるというものでもあるまい。
96条の「遺跡」の箇所に「埋蔵文化財包蔵地」を挿入しても何の問題も生じない。
両者の使い分けの基準が理解できない所以である。

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ジャパネスクから共同態へ [セミナー]

多くのことが話し合われた。

ある場所はたまたま「特に重要である」ということで調査され現在整理作業が行なわれているのだが、その隣の部屋では同じようなものが「重要でない」として報告対象にはならないということについて。
ある場所は古代の<遺跡>として調査されたのだが、実際は古代の<遺跡>ではなく近現代の<遺跡>が調査・報告され、後に「特に重要ではない」として保管されていた資料が廃棄対象になったということについて。
近年その廃棄資料が、ある展示において「重要な」資料として取り上げられたということについて。
ある場所の近世から近現代に至る居住遺構について、近世の出土資料は報告対象となったが、近現代資料は報告から除外するようにという強い指導があったということについて。
ある特定の目的をもった所謂「学術調査」において、特定の時代の包含層に限られた期間内に到達するために、上層に存在したより新しい時代の包含層が「飛ばされた」ということについて。
逆に、ある特定の目的をもった「学術調査」において、上層に存在したより新しい時代の包含層を「きちんと」調査したために、特定の時代の包含層に到達できずに担当者が「飛ばされた」ということについて。

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