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第4回 準備会 (予告) [セミナー]

日時:6月27日(土) 14~16時
場所:日野市勤労青年会館(JR中央線 豊田駅北口 徒歩1分) 会議室
発題:黒尾 和久氏
    「遺跡として周知されていない場所・時代を発掘調査すること」

「発掘:土中にあるものを掘り出すこと。「遺跡の──」」『広辞苑』
かように「発掘」とは、「遺跡」と結びついて考えられている。
すなわち「発掘とは遺跡を掘ること」なのである。
ならば「遺跡ではない場所」を掘るのは、「発掘」ではないのか?
あるいは「遺跡」と考えて「発掘」したが、実は「遺跡」ではなかったということはないのか?
そうした場合の「発掘」とは?
そもそも「遺跡」とは、何なのか?
私たちは「発掘」することで、何を(対象)、どのようにして(方法)、明らかにしようとしているのか(目的)?

といったことなどを考える機会になるのではないかと考えています。
皆様の積極的な参加をお待ちしております。


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第3回準備会 [セミナー]

第2考古学会議 第3回準備会
日時:2009年4月29日(水)13時~17時
場所:日野市勤労青年会館 会議室
内容:Dunnell 1992 ‘The Notion Site’ を読む

本ブログ【09-04-15】の「遠郷の空」さんとの遣り取り、あるいはmargin Blog「包蔵地の実線性」【09-04-23】および「未完の地図としての遺跡地図」【09-04-28】における「renes」さんとの遣り取りなどを踏まえて、参会者と議論しつつお互いの考えを深めたかったのだが。

以下は、当日の「配布資料」より。

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タグ:<遺跡>
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第2考古学会議・第2回準備会 [セミナー]

2AD準備会#2:2009-02-28
報告:遺跡とは何か? 区切れないものを区切ろうとする思考法を問う。
要旨:なぜ「遺跡」を問題とするのか? それは確固とした実体ある存在と考えられている「遺跡」が、実は私たちの必要性に基づいて制作された人為的なものであるということを明らかにするためである。

もしあらゆる場所が<遺跡>であり、あらゆる開発(土地改変)に対して調査をするとするならば、<遺跡>問題は存在しない。
またあらゆる場所が<遺跡>ではなく、あらゆる開発(土地改変)に対して調査をしないとするならば、<遺跡>問題は存在しない。
ある場所は<遺跡>だから調査をする。しかし他の場所は<遺跡>でないので調査しないとする(せざるを得ない)。故に、ある場所と他の場所を区切る必要性が生じ、<遺跡>問題が発生することになる。

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#21:2008-06-11 [セミナー]

今回の2AS#21は、懸案の「穴問題(4)」である。

始めに穴と影の相互関係について、ある私案を提示した。
光が当たっている場所は、地面を盛り上げた「プラス遺構」(盛土とか版築など)に対比できる。
光が当たらない場所、影は、地面を掘り下げた「マイナス遺構」(土抗とか竪穴とか所謂「穴ぼこ」)に対比できる。

ここから先が問題である。ガンガン反論を受けた。無い知恵を振り絞って応答する。

光と影は、ある意味で「明るい場所」と「暗い場所」とも言いうる相対的な関係である。
しかしプラス遺構とマイナス遺構、「山」と「穴」は、ある絶対的な基準、すなわちある地表面を境に(ゼロ値として)、そこより上方をプラスに、下方をマイナスとする位置関係にある。

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タグ:穴と影
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#20:20080409 [セミナー]

第2考古学セミナーも、とうとう20回目である。
今回は、「発掘調査報告書のアルシーヴ -認識の表象-」と題して発表していただいた。

私たちが、考古学というものをどのように捉えているのか、何を調査・研究対象としているか、それらはいったいどのような基準で選び出されているのか、何と何とを一義的に有意な関係と考えているのか、そこで優先されている区分は何か、材質か、出土状況か、遺構単位か。
こうした考古学的認識は、調査者の様々な記述を通して表明されている。特に私が「考古誌」と呼び、一般的には「発掘報告書」と呼ばれている媒体によって。

土器や石器を拓本やロットリングで版下を作って・・・という時代は、既に過去のものとなった。今や陶磁器から漆椀、下駄、様々な金属製品に至るまで、デジタル・データを主体として運用される時代となった。どこの現場にいっても光波で計測し、整理事務所にはコンピューターがずらりと並んでいる。もちろんこれは私が見聞きしている都市部に限定されている状況である。しかし考古学的手法は、確実に変革されつつある。
だが、そうした機器を操作している私たちの認識は、未だに従来通りということが多いのではないだろうか。そこに様々な軋み、歪み、齟齬が発生しているように思われる。

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タグ:考古誌
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#19:20080312 [セミナー]

「再び遺構/遺物の二項対立図式を脱構築する見通しを考える」 

まずは、現状の確認から。
「竪穴建物や倉庫、井戸や溝、窯や鍛冶炉、竪穴石槨や横穴式石室、大極殿や朱雀門、金堂や築地塀など、土地から切り離すといちじるしく価値を損なってしまう、いわば不動産的価値をもったのが遺構。石斧や木鍬、須恵器や瓦器、鉄滓や石器未製品、鏡や銅鐸、木簡や墓誌、糞石や植物・動物遺体など、遺跡から遊離させても価値はさほど変わらない動産的価値をもったのが遺物。」(広瀬 和雄2007「考古学の現在」『考古学の基礎知識』角川選書:17.)
これが現在の「日本考古学」の基礎知識である「遺構-遺物」概念に関する最新の記述である。
不動に思える「不動産-動産」規定。
しかし縄紋や弥生の「遺構・遺物」が歴史的な産物であるのと同様に、私たちが用いている「遺構/遺物」という考古学概念も歴史的な産物である。歴史的経緯から「先史」という枠組みに規制されて構築された「遺構/遺物」という考古学的二項対立システムを近現代という視野から読み直すことが必要である。

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#18:20080213 [セミナー]

考古学における認識について論じ合った。
関連して言葉の使い方あるいは読み取り方についても。
例えば、ある文章において「客観的」という言葉が使われていたとしても、どのような意味での「客観的」であるのかを文脈に応じて的確に読み取り、また的確に使わなければならないということである。なぜなら、「存在論的には主観的だが、認識論的には客観的である」などということがありうるからである。

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#17:20080116 [セミナー]

「(前略)皆さん余りはっきりとは書かないのです。ただし使わない。日本というのは、どうもそういう形で物事が推移していくようなところがあります。それはそれで波風立たずでいいのかもしれませんが、私はそういうのは余りおもしろくないと思うたちの方ですので、二、三年前にちょっかいを出してみました。」(鈴木 公雄 1995 「山内清男と縄文土器編年」『考古学者 -その人と学問-』市民の考古学2、名著出版:292.)

今にして、「そうだったのか」と思う。
あるいは、「そうだったに違いない」とも思う。

#17は、「学史研究と個人的第2考古学」と題して、卒業論文「縄文時代後期前葉土器編年研究(関東地方を中心とした堀之内1式周辺の研究史の整理)」を背景に、「学史研究の意義、方向性」および「第2考古学についての雑感」について述べていただいた。

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タグ:世界考古学
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#16:20071212 [セミナー]

2007年最後の第2考古学セミナーは、佐藤正人さんに「場・“遺跡”・“遺構”・もの・ことば(証言) -国民国家日本の侵略犯罪を認識する方法について-」と題して問題提起をしていただいた。佐藤さんにお会いするのは、去年の春以来である(『大量埋葬地論』【2006-05-25】参照)。

当日配布された発表要旨より、一部を抜粋して紹介する。

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タグ:侵略
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#15:20071114 [セミナー]

「日本考古学史研究の課題」と題して、現在準備中の草稿をもとに問題提起をしていただいた。

「斉藤-坂詰ライン」に対する「和島-近藤-戸沢-勅使河原ライン」という構図。
しかし後者がある時を境に限りなく前者に変容していく。それは、何故か? そしてそのある時とは? こうした流れに定位して現在流通している言説の実態はどうなのか?
この両者がいずれも「列島内日本考古学史」という点において共通している一方、「東亜日本考古学史」という別の枠組みを提示していた「駒井-藤田ライン」。こちらが受け継がれなかったのは、何故か?
こうした潮流を見据えた上でなされる新たなそしてあるべき「日本考古学史」とは?
私の言葉で言い換えるならば「第2考古学的「日本考古学」史」の構築へ。

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