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坂詰2021『転換期の日本考古学』 [全方位書評]

坂詰 秀一 2021『転換期の日本考古学 -1945~1965文献解題-』雄山閣

「その間(1931年~1945年)、日本の考古学は「官」を主体とする「植民地」の考古学的調査が殷賑を極める一方、「肇国」の考古学が「民」において風靡していた。しかし、科学としての考古学を掲げる硬骨の士は泰然自若として自己の研究を展開していた。」(i)

「科学としての考古学を掲げ」て「はてしなき泥濘の道」を歩んだ考古学者がこうした文章を読んだら、いったいどのような感想を抱くだろうか?

実は、ある所から本書の書評を依頼されていた。
「誠に申し訳ございませんが、どう考えても適任とは思えません」とお断り申し上げた。
依頼された方には「誠に申し訳ない」が、引用した冒頭の一文を読んで自分の判断は間違っていなかったと思っている。

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