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木村2007「文化遺産イデオロギーの批判的検討」 [論文時評]

木村 至聖 2007「文化遺産イデオロギーの批判的検討 -近代西欧の廃墟へのまなざしを手がかりに-」『ソシオロジ』第51巻 第3号(158号)3-19.社会学研究会

「…文化遺産イデオロギーとは、本来様々な可能性に開かれているはずの「痕跡」から見知らぬもの、理解できないものといった異質性・他者性を排除し、そこから近代的社会秩序あるいは自己の同一性を維持するための肯定的価値づけのみを取り出していく「同一化思考」のことなのである。」(7.)

世界遺産選定にあたって「国の名誉に関わる」などと発言している人は、アウシュヴィッツ=ビルケナウなど「負の世界遺産」など想像できないだろう。
ある立場の人たちからすれば、こうした事柄は「自虐史観」による産物以外の何ものでもないだろうから。

どうしても「佐渡金山」を世界遺産に登録したいのならば、「花岡鉱山」と組み合わせた構成資産化が唯一の方策だろう。
「佐渡金山」については、新潟県相川町(現 佐渡市)1995『佐渡相川の歴史 通史編 近・現代』が基本文献である。

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