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加藤2022「杉並区向ノ原遺跡の近代遺構と遺物」 [論文時評]

加藤 秀之 2022「杉並区向ノ原遺跡の近代遺構と遺物 -久我山高射砲陣地と関連して-」『東京都埋蔵文化財センター 研究論集』第36号:31-46.

「久我山陣地は、戦争末期に高度1万m上空を飛行するB29を撃墜するために開発された「15糎高射砲」が唯一設置された高射砲陣地として、ミリタリー系雑誌などに取り上げられることも多いが、その構造は明らかにされていないのが現状である。
本稿では、向ノ原遺跡で検出された近代の遺構・遺物を再確認し、現状での久我山陣地の構造を把握することを目的とする。」(32.)

B-29による「帝都空襲」を防ぐために急遽開発された新型高射砲2基が唯一配備されたのが、久我山高射砲陣地であった。15糎高射砲とは、今でいうアメリカがウクライナに供与しているM777榴弾砲や防空ミサイル・スティンガーのようなものである。
言い伝えには聞いていたが子どものころ遊んでいた、そして小学校の運動会の会場にもなっていた馴染みの場所の地下に「こんなもの」が埋まっていたとは! 心底、驚いた。

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