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1919年 「宣言書」 [学史]

「私たちは、私たちの国である朝鮮国が独立国であること、また朝鮮人が自由な民であることを宣言する。
このことを世界の人びとに伝え、人類が平等であるということの大切さを明らかにし、後々までこのことを教え、民族が自分たちで自分のことを決めていくという当たり前の権利を持ち続けようとする。
5000年の歴史を持つ私たちは、このことを宣言し、2000万人の一人ひとりがこころを一つにして、これから永遠に続いていくであろう、私たち民族の自由な発展のために、そのことを訴える。
そのことは、いま世界の人びとが、正しいと考えていることに向けて世の中を変えようとしている動きのなかで、一緒にそれを進めるための訴えでもある。

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加藤2020「アイヌ民族と先住民考古学」 [論文時評]

加藤 博文2020「アイヌ民族と先住民考古学」『世界と日本の考古学 -オリーブの林と赤い大地-』常木晃先生退職記念論文集:533-544.

「アイヌ民族の遺骨返還問題において最も影響を受けるのは、人骨を直接研究資料として扱う自然人類学者である。しかし、考古学者にとっても墓や埋葬事例は過去の社会復元をおこなうための重要な研究資料である。アイヌ民族の祖先の遺骨や副葬品の返還問題は、単に現在、大学や博物館に保管されている遺骨や副葬品に留まらない。ここで問われている問題の本質は、研究と先住民族との関係性であり、調査過程の手続き論を含んでいる。つまり、検討されるべきは過去に起きた問題ではなく、これからの調査研究のあり方に関わる問題である。」(537.)


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五十嵐2021b「練馬区 比丘尼橋遺跡C地点」 [拙文自評]

五十嵐2021b「練馬区 比丘尼橋遺跡C地点」『東京都遺跡調査・研究発表会46 発表要旨』:6-9.

例年行われている東京都遺跡調査・研究発表会も、今年は口頭発表はなく紙上発表のみである。
2014年から2020年まで足掛け7年にわたって行われた調査についての発表である。
担当者のセンスなのだろうか、表紙のデザインも垢抜けていて、嬉しい限りである。
但し分布図の挿図では二色刷りが認められず、やや分かりずらいのが残念である。

「遺物の平面分布については、一定の基準で集中部区分を行ない、石器分布について基準を満たさず集中部を形成しない資料については「石器集中部外出土石器」としました。石器集中部外出土石器のうち、加工石器を区分図として提示しました。集中部を形成しない散発的な出土状況ですが、礫資料分布図と重ね合わせてみると、その多くが礫集中部と重複しています。」(6.)

これだけ読めば何のことやら専門家以外には訳が分からないだろうから、少し基本的なところから説明してみよう。

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