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加藤2020「アイヌ民族と先住民考古学」 [論文時評]

加藤 博文2020「アイヌ民族と先住民考古学」『世界と日本の考古学 -オリーブの林と赤い大地-』常木晃先生退職記念論文集:533-544.

「アイヌ民族の遺骨返還問題において最も影響を受けるのは、人骨を直接研究資料として扱う自然人類学者である。しかし、考古学者にとっても墓や埋葬事例は過去の社会復元をおこなうための重要な研究資料である。アイヌ民族の祖先の遺骨や副葬品の返還問題は、単に現在、大学や博物館に保管されている遺骨や副葬品に留まらない。ここで問われている問題の本質は、研究と先住民族との関係性であり、調査過程の手続き論を含んでいる。つまり、検討されるべきは過去に起きた問題ではなく、これからの調査研究のあり方に関わる問題である。」(537.)


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