宮田2019『いい感じの石ころを拾いに』 [全方位書評]
宮田 珠己 2019『いい感じの石ころを拾いに』中公文庫(初出は KAWADE WEB MAGAZINE 2012~2013)
「石に惹かれる。といっても、ものすごく好きで好きでたまらないわけではない。ふと、手に持ってみたらよかったと、その程度である。自分の人生において、とても重要なこと、ではない。石拾いをライフワークにしようなどとは考えない。ただ、そこに石が落ちていれば、いい感じの石をつい目で探してしまう、そんな癖みたいなものがある。
拾っている時間そのものが好きなのかもしれない。ただただ石を手にとって眺め、手にとって眺め、無心になって、いいものを選んでいく。難しいことは何もない。悩むことといえば、こっちの石とそっちの石、どっちがよりいい感じがするか、それだけ。」(7.)
拾っている時間そのものが好きなのかもしれない。ただただ石を手にとって眺め、手にとって眺め、無心になって、いいものを選んでいく。難しいことは何もない。悩むことといえば、こっちの石とそっちの石、どっちがよりいい感じがするか、それだけ。」(7.)
『縄文ZINE』に教わった。あちこち、グッとくるフレーズに満ち溢れている。何よりも石愛に溢れている。