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小松ほか2013「痕跡学序説」 [論文時評]

小松 研治・小郷 直言・林 良平2013「痕跡学序説 -痕跡を読み、痕跡に語らせる-」『富山大学 芸術文化学部紀要』第7巻:70-85.

「…今から取り組もうとしている課題は「人を内面(だけ)で判断してはいけない」という論旨を主張する。つまり、「人を「行動の結果」から考察してみようとするアプローチである。もう少し具体的に言えば、人が行動した結果としてしばしば残す痕跡に注目し、その痕跡ができる理由を探ろうとする試みである。」(70.)

研究対象が人の「行動の結果」でしかない考古学は、すなわち痕跡学である。むしろ痕跡学であらざるを得ないのは、当然と言えば当然であろう。
だから「行動考古学」などというジャンルも提唱されてきたのである。
そして外面(行動の結果としての痕跡)から何とか人間の内面にまで至れないかと苦闘している訳である。

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