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斎藤1939「考古学より見たる古代の内鮮関係」 [論文時評]

斎藤 忠 1939 「考古学より見たる古代の内鮮関係」『緑旗』第4巻 第3号:198-203.

「手もとにある考古学の資料の上から、古代における内鮮の関係を一瞥した。もとより内鮮の間にあつても、恰も兄弟でもその性格をことにする如く地方においてもその方言習慣のことなる如く、相異なつた文化の相もあることは否むことはできぬが、以上の事実によつて両方の間に或は同一の文化の相があり或は親しい流動影響があり或は深い交渉接触があつたことは明かに認められるところである。考古学の上からも、古代における内鮮の親密な関係は動かすべからざる厳然たる事実である。
しかしてこれはなにも新しい事実ではなく既に幾多の学者によつて説かれてゐることである。我々の新たな視野は今後内鮮の既知の文化関係を更に一歩すすめて満洲に向け支那に向けねばならぬ。そこにその文化の遡源を知りその系統を知る新たな泉が存するのである。古代において東洋の文化はすでに堅く提携されてゐたのである。」(203.)

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