五十嵐2023c「戦利品から略奪財産へ」 [拙文自評]
五十嵐2023c「戦利品から略奪財産へ -文化財返還という問題-」『歴史評論』第879号:60-71.
「「人の<もの>を奪ってはいけない」そして「奪った<もの>は返さなければならない」。これは、誰もが納得できる当たり前の道理である。しかし、こうした道理が通らない場合がある。それは、「人の<もの>を奪ってもよい」場合があるからである。それが「戦利品」である。道理を通すためには、道理が通らない場合とはどのようなことなのかを理解しなければならない。」(62.)
文化財返還とは結局はどれだけ「道理」を通すことができるかという問題、あるいはどこまでも「道理」を通すことに尽きる。
「戦利品」という考え方については、かつて簡単に述べたことがあったが、道理が通らない「戦利品」概念について一度はしっかりとまとめなくてはと考えていたところ、機会を与えて頂いた。
「戦利品」という考え方については、かつて簡単に述べたことがあったが、道理が通らない「戦利品」概念について一度はしっかりとまとめなくてはと考えていたところ、機会を与えて頂いた。