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『北海道・アイヌモシㇼ -セトラー・コロニアリズムの150年-』 [全方位書評]

北海道・アイヌモシㇼ -セトラー・コロニアリズムの150年-『思想』第1184号(2022年12月号)岩波書店

まず「アイヌモシㇼ」の「ㇼ」(小さな「リ」)に戸惑う。
macOSやiOS15では、「アイヌ語キーボード」が実装されている。

「北海道新聞にはアイヌ関連の報道には必ず「民族」と表記する決まりがある。アイヌと呼び捨ては失礼ということらしい。例えば私が記事になるとすると「アイヌ民族のトンコリ奏者」となる。こんな大げさな文字が新聞に載るのは田舎で普通に暮らしている自分にはいささか居心地が悪い。「大和民族の歌手〇〇〇〇」とは普通書かないだろう。」(OKI「民族と呼ばれて」:5.)
 ⇒ ここにも力の不均衡が表れている。数の大小に基づく力の大小。不可視の「大」と「不可視の大」を成立させるために可視化される「小」。わざわざ「女性パイロット」とか「男性客室乗務員」とする意識と同じか。

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