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日本学術会議 地域研究委員会 歴史的遺物返還に関する検討分科会 [総論]

日本学術会議に地域研究委員会があり、24期(2017~19)において「歴史的遺物返還に関する検討会」が設置された。その成果として「先住民族との和解と共生 -アイヌの遺骨・副葬品の返還をめぐって- 記録」(2020)が公開されている。

「第24期「歴史的遺物の返還に関する検討分科会」は、先住民族の遺骨と副葬品の返還問題について、特にアイヌ民族が抱える問題を例として、文化人類学を中心とする人文学研究の立場から議論してきた。(中略)
当初、分科会は「提言」作成をめざしたが、その後、分科会内部で「提言」発出への懸念が示されたため、「報告」に切り替えた。その論点は以下の4つに集約される。①遺骨などの整備状況の検証やデータの公開が不十分であり、その整備を急ぐとともに、アイヌ民族の遺骨、副葬品を収蔵してきた大学・博物館等の機関は、アイヌ民族に配慮を欠いた遺骨の収集・収蔵状況に対して謝罪の必要性の有無を検討すること。②アイヌ民族を尊重し、彼らの立場に立った返還プロセスを構築、提案すべきこと。③アイヌ民族の専門家の養成に向けて、新たな研究・教育体制を構築する必要があること。④学術界の中に存在する多様な意見に配慮して、複数分野の研究者が学際的に協力し、上記3つの論点を継続的に議論すること。

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