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藤森1965-68「考古学への想い」 [論文時評]

藤森 栄一 1965-68「考古学への想い」『信濃考古』(詳細な原典情報不明『藤森栄一全集 第15巻 考古学・考古学者』所収:17-30.)

晩年に記した10箇条の遺言である。
その10箇条とは、1.書いてみたいこと、2.掘ってみること、3.感じてみること、4.観察してみること、5.歩いてみること、6.遊んでみること、7.ケンカをしてみること、8.地味をみること、9.覗いてみること、10. 一度つけた灯を消さないこと、である。
いづれも「身に染みる」。

「とても、慎重に、いつまでも資料を眺め、あっためている人がいる。もちろん、それはそれでまことに学問的で結構である。しかし、資料は単独でおかれた場合、なんの役にも立たぬものである。いくつも、小さなつまらないような資料が、共通の場に提出され、組立てられるのでなければ価値を生じないのである。」(書いてみたいこと:17.)

私の身近にも、こうした人が居る。アイデアも感性も素晴らしい、材料も揃っている。しかし「あっためている」のである。

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タグ:研究姿勢
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