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2016年(非難と批判の違いについて) [雑]

ある人から、あなたのブログでなされているような非難が今後なされないならば、お付き合いができます、といった趣旨の文章を頂いた。当初は述べられている文意が十分に理解できずに困惑していたのだが、暫く経つうちに、どうやらこの方は「非難」と「批判」の区別がついていないのではと思われてきた。

非難:欠点・過失などを責め、とがめること。非として難ずること。
批判:事物を分析して、その意味・価値を認め、全体の意味との関係を明らかにし、その存在の論理的基礎を明かにすること。(広辞苑)

ヤフー「知恵袋」での回答
非難:「お前が悪い、お前が悪い、絶対悪い」
批判:「君のこの点は良くない。何故ならばこうだからだ」

一般書店でもよく目にする「クリティカル・シンキング」を引き合いに出すまでもなく、批判的思考は私たちの一般的な社会生活で欠かせない精神の在り様で、中でも学問という営みでは必須と言ってもいいのではないか。そして自らへのあるいは自らが属している組織への批判的な言説について須らく「悪口を言われている」といった程度の認識で「非難」として受け取り表現してしまう。
それを建設的な「批判」と、受け取ることができない。

以下は、ウィキペディアより引用。

「批判的思考のガイドライン
 Wadeは批判的思考のガイドラインを次のようにまとめた。

  • 問いをたてる。
  • 問題を定義する。
  • 根拠を検討する。
  • バイアスや前提を分析する
  • 感情的な推論(「私がそう感じるから真実である」)を避ける。
  • 過度の単純化はしない。
  • 他の解釈を考慮する。
  • 不確実さに堪える。

またLeftonは次のようにまとめている。

  • 利用可能なもの、最初の思いついた答えに固執しない。
  • あまりに早く一般化しない。
  • 楽な解決に固執しない。
  • 最初の答えに合致するような決定に固執しない。
  • 一部の利用可能なアイデアや前提の検討だけに終始しない。
  • 感情的にならない。
  • もともともっている考えに固執せずに、オープンになること。」

第2考古学の必須要件は、この「批判的思考」にある。
もちろん誰も彼もが批判する相手を批判することは容易である。
そうではなく、誤りは明白なのに誰も批判しない、その領域における「権威」となっている、しかし言うべきことは言わねばならない。
これが重要である。
多くの人は現状で納得しているのに、あえて異論を唱える。
異論を唱えるのがただ一人というのは、つらいものである。
そもそも多くの人が一致しているのは、それなりの根拠ともっともらしい理由があるからで、そのことにあえて異を唱えるのは、唱える方にもそれ相応の準備と覚悟が必要となる。

母岩識別、考古二項定理、緑川東、文化財返還…
皆、同じである。
何より、第2考古学というもの、そのものがそれなのである。


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