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2013WAC-7(1) [総論]

『考古学研究60の論点』の内容が公開された(『考古学研究』第236号:116-118.)。
「日本考古学」の現時点における関心の在り様が反映されているといって良いだろう。
その評価も、様々であろう。
一つの参照軸として、本年1月にヨルダンで行なわれた第7回世界考古学会議におけるセッション・テーマを示す。
彼我の懸隔を認識し、3年後に京都で行なわれる第8回世界考古学会議に備えるためである。

1.1A:大きな疑問の表明
1.1B:現在の考古学調査におけるジオ考古学の応用
1.1C:物質文化と象徴表象:意味とアイデンティティ
1.1D:古代食生活の探求
1.1E:考古学に関する公教育と子供たちの声
1.1F:「先住」という概念:理論と実践
1.1G:アフリカ考古学、紛争下のアイデンティティと倫理
1.1H:開発における考古学的なインパクトを計量する
1.1J:メディアにおける考古学
1.1L:デジタル的将来に向けてのデータ・アーカイブ
1.1X:過去は誰が提示するのか?

1.2A:大きな疑問の表明
1.2B:新石器移行期への新たなアプローチ:最後の狩猟民と最初の農耕民
1.2D:何が食卓に? 古栄養学的プロキシ
1.2E:戦争の考古学:方法、分析、手法
1.2F:「私たち」と「彼ら」の諸考古学:考古学と遺産言説における民族性と先住性を巡る倫理と政治を議論する
1.2G:武力紛争における市民と軍隊の協同作業による文化財保護:市民的視点から学ぶ
1.2H:考古学、遺産、開発:国際的な語り、地域的なインパクト
1.2I:ヨルダンにおける考古学的諸発見
1.2J:世界考古学会議会員による誓約会議
1.2X:契約考古学
1.3M:資金源、戦略と機会
1.3N:ブルー・シールド:武力紛争と自然災害から遺産遺跡を守る
2.1A:野生資源の管理と栽培植物・家畜の起源・拡散
2.1B:加工石器分析:最先端の評価と将来の方向性を探る
2.1C:記念碑の理解:過去の社会にとっての初期記念物の動機、心性、重要性
2.1D:塩の考古学:不可視な過去へのアプローチ
2.1E:湾岸地域における遺産実践の諸問題(第1部)
2.1F:返還、さらに前へ
2.1G:持続可能(サステナブル)な共同体の開発プロジェクトの事例研究
2.1H:学生倫理ディベート
ランチタイム倫理議論:先住民問題
2.2X:現在における過去
2.2A:動植物の文化的な伝記、外来性の考古学
2.2B:デジタル時代の考古学
2.2C:ジェンダーと埋葬習慣
2.2D:美食の遺産
2.2E:湾岸地域の遺産実践の諸問題(第2部)
2.2F:認知の政治性:概念と戦略
2.2G:考古学、文化遺産、矛盾の解決:機会と障壁
2.2H:考古学と鉱山景観:過去、現在、未来
2.2I:南西アジア新石器に関する新たなデータとアイデア
2.2J:誇示される過去:観光、考古学、語り
2.2K:学生倫理ディベート
2.3A:人類古生態学研究の新たなアイソトープ・アプローチ
2.3C:考古学の時空間境界
2.3E:国際法、倫理の交差点と文化財保護
2.3F:過去は今に生きている:「生きている遺産アプローチ」に向けて
2.3G:ここから何処に行くのか?
2.3H:危機の時代における文化観光産業と持続可能な遺産
2.3I:南アジアにおける考古学研究の可能性
2.3K:学生倫理ディベート
2.3Y:物質文化と陶器
2.4M:考古組織にいる考古学者と学問はどのようにして協力することができるか?
2.4N:テクノロジーを通じて増大する多声性
2.4O:WAC-7およびその後に向けての倫理に関する円卓議論
3.1:グローバルなアピールを示す遺跡博物館:ヨルダン、サフィ低地帯における博物館の遺跡外セッション

これでようやく半分である。前掲『考古学研究』第236号に参加記が掲載されているが(上月克己「第7回世界考古学会議(WAC-7)に参加して」:11-14.)、土曜日から金曜日まで丸々一週間、4日間は朝の8時から夜の9時あるいは10時まで、セッションの数だけでおよそ100本、口頭発表は500本以上というとんでもないスケールである。 
セッション・テーマだけからでは、一体どのような発表・議論がなされたのか見当がつかないようなものも少なくない。
詳細は、ウェブを参照のこと。各発表の要旨が確認できる。


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