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型式論再考 [総論]

「もちろん、人間の手工品であるかぎりどれをとっても二つが完全に一致することはまずない。一貫した流れ作業で規格部品を組み立ててつくられる自動車の場合でさえ、その買手は買おうとする最新式の車の性能に、一台一台面くらうような差があることに気づくだろう。」(V.G. チャイルド(近藤 義郎・木村 祀子 訳)1969『考古学とは何か』岩波新書703:8.)

何の問題もない第1文に引き続いて記される第2文について、問題はないだろうか。
「一貫した流れ作業で規格部品を組み立ててつくられる自動車」を「手工品」と同様に評価することができるだろうか。
たとえ1950年代のイギリスの「最新式の車の性能に、一台一台面くらうような差がある」としても、その車を組み立てている「規格部品」について「面くらうような差がある」とは思えないのだが。

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