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加藤2022「記号化による文化遺産の植民地化」 [論文時評]

加藤 博文2022「記号化による文化遺産の植民地化 -収奪される地名・記憶・歴史-」『記号化される先住民/女性/子ども』青土社:81-109.

「世界考古学会議の第1回の大会では、考古学者による解釈が持つ歴史的・社会的な役割、そして政治性についての再評価が行われ、次のような問いかけがなされた。
・考古学の研究によって恩恵を受けるのは誰か?
・考古学者は、他人の過去を管理する権利を持つのか?
・西欧の考古学理論や手法は、過去の解釈にとってベストな方法なのか?
・調査の対象とされる先住民族に対して考古学はどのような(プラスの意味での)効果を与えることができるのか?
・先住民族へのダメージを抑止するための理論の構築や、方法の転換の取り組みは可能か?
この世界考古学会議から発せられた問いかけは、それまでの西洋中心の思想的な枠組みにとらわれていた理論や方法論を見直す契機となり、またその後の考古学と先住民族との関係を考える上でも重要な指標となった。」(83-84.)

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