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母岩識別批判(3) [石器研究]

2000年に「接合」という題名で、事典項目を執筆する機会が与えられた(五十嵐2000c「接合」『用語解説 現代考古学の方法と理論Ⅱ』164-175。私の中では、接合という事象もさることながら、特に石器接合と密接に関連する「母岩識別」について、問題点を指摘したいという意識が強かった。そのため与えられた頁分量の半分以上が「母岩識別」に関する記述となってしまい、「接合」という項目名を「母岩識別」に変えて欲しいと編者に要請したが受け入れてもらえなかったという経緯があった。

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母岩識別批判(2) [石器研究]

まず議論の前提として、最低限の用語整備を行わなければならなかった(五十嵐1998c「考古資料の接合 -石器研究における母岩・個体問題-」『史学』67-3・4:105-128)。
すなわち人(報告)によって、「母岩」・「個体」・「接合」の意味、使い方(命名方法)、すなわち認識の在り方がまちまちであるということを指摘した(同:図3参照)。

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母岩識別批判(1) [石器研究]

10年以上も前に何気なく記した、ほんの小さな文章が全ての出発点であった。

「石器研究においても、「個体別資料分析」の有効性と限界について、明確な研究戦略上の位置付けを与える必要性があるように思える。」(五十嵐1992「関東地方における石器文化の変遷に対する感想」『石器文化研究』第4号:p.17)

このほんの思いつきのような文章に対して、全く正反対とも思える、意外な反応が示されたのだった。

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石文研2005 [石器研究]

10月2日(日曜日)、横浜で開催された石器文化研究会シンポジウム『「ナイフ形石器文化終末期」再考 -ナイフ形石器文化終末期石器群の変動-』に行ってきた。
前回のシンポジウム『砂川 -その石器群と地域性-』は、5年前の2000年7月、すなわち捏造発覚直前であったから、『砂川』が捏造以前の石器研究の総括とすれば、今回は捏造発覚後の5年間を総括する機会となるはずである。

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