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現状保存 [総論]

「現状保存」とは、言い換えれば「できるだけ掘らないようにすること」を目的として、そのためには「いかに掘らないようにするか」を模索する行為である。これは「掘ること」を至上命題とする組織にとっては、本来相容れない、二律背反とも言うべき理念である。もちろんこれは一般論であり、個別の場面では様々であろう。そうした様々な状況を生み出す一つの変数が、実際に実施する発掘件数と組織能力として実施しうる発掘件数の相互関係、すなわち「手が足りなくて仕事(発掘)に追われる」状況なのか、それとも「手が余って少しでも仕事(発掘)を取ってこなくてはならない」状況なのかという点である。すべき仕事がこなせる能力を上回っていれば、仕事を削減する方策すなわち理念である「現状保存」を唱え、努力を傾注するのに何の矛盾も生じない。しかし、受ける仕事が組織を維持するラインを下回れば、理念は打ち捨てられ、かつては「いかに掘らないようにするか」を唱えていた自らが「いかに掘るようにするか」に腐心し変節することになる。変節せざるを得ない。

こうした問題の根本原因は、何であろうか。

重度のアルコール依存症のような気がする。喩えの対象は、アルコールでなくても、ニコチンでも、薬物でも何でもいい。入手できるアルコールが年々減少している傾向にあることから、何とか中毒状態から抜け出すことが緊急の課題となっている。本来は、アルコールに依存しなくても良い健康な生活習慣を徐々に確立することを目指すべきである。にも関わらず、現在採られている方策と言えば、患者に与える栄養分を日々切り詰めて、新陳代謝を抑制して、ただ衰弱死を待つという消極策だけである。

これで良いのだろうか?
良いはずがない!

患者自らが、自らの病状を直視し正確に認識し、かつ健康な生活を取り戻そうという強い意志を持たない限り、病の克服は難しいだろう。


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