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中国から略奪した文化財の返還を求める緊急集会(報告) [研究集会]

中国から略奪した文化財の返還を求める緊急集会 -日中国交正常化50周年企画-

日時:2022年 4月 20日(水)15:00~19:00
場所:衆議院第一議員会館 地下1階 大会議室
主催:中国文化財返還運動を進める会

1.総合司会(藤田 高景)
2.主催者代表挨拶(纐纈 厚)
3.来賓挨拶(笠井 亮・新垣 邦男・高良 鉄美)
4.講演-1
 「日本の侵略と日中国交正常化50年 -中国に再び戦争をしかけてはならない-」(高野 孟)
5.独唱 日中友好の想いをこめて(田 偉)
6.講演-2
 「文化財返還運動から見通せること」(五十嵐 彰)
7.発言(吉田 邦彦・鄧 捷・凌 星光)
8.閉会挨拶(東海林 次男)

講演-2 冒頭要旨
問:文化財を返還するとは、どういうことですか?
答:傷を修復することです。
問:その傷とは、どのような傷ですか?
答:ただの傷では、ありません。目に見えない傷です。
問:目に見えない傷を、修復することができるのでしょうか?
答:できます。そのためには目に見えない傷を見ることが必要です。
問:目に見えない傷を見るためには、どうしたらいいですか?
答:<もの>が今ある<場>にもたらされた経緯を知ることです。
問:どのような<もの>に、そうした傷が残されていますか?
答:文化財、それも華やかで素晴らしいとされる外国由来の文化財にそうした傷が残されています。
問:どのようにして、そうした傷を修復することができますか?
答:唯一の修復方法は、傷を負った<もの>を本来あるべき<場>へ戻すことです。
問:どうして外国由来の文化財に、こうした傷が残されているのですか?
答:私たちの<もの>に対する欲望、物欲のせいです。
問:そうした物欲は、どのようにして<もの>に傷を与えるのですか?
答:戦争や植民地支配といった時代状況で、国威発揚といった国家主義と結びつくことで、こうした野蛮な行為が引き起こされるのです。

ということで、靖国神社の石獅子(中国・遼寧省・三学寺)、皇居の鴻臚井碑(中国・遼寧省・旅順)、東京大学の上京龍泉府出土資料(中国・黒竜江省・寧安)、永青文庫の金銀錯狩猟文鏡(中国・河南省・洛陽)、根津美術館の菩薩坐像頭部(中国・山西省・天龍山石窟)などを紹介した。

最後に3人の方の言葉を紹介した。
「文化財自体が野蛮から自由ではないように、文化財が人の手から手へ次々と渡ってきた伝達の過程も、野蛮から自由ではない。」(ベンヤミン)
「大切なことは、目に見えない。」(サンテグジュペリ)
「歴史を直視し、日中友好、永久の平和を祈る」(村山 富市)

100人ほどの方々が参加された。
30部持参した岩波ブックレット『文化財返還問題を考える』も完売した。
平日の日中という時間帯を考えれば、想定以上である。
何人もの旧知の方ともお会いすることができた。
何人もの新たな方ともお会いすることができた。
体調が心配された特別講演者の方も1時間たっぷり熱演していただいた。
当初の計画にサプライズの演目などが入ったために、後半の質疑応答の時間がなくなってしまったのが残念であったが、総じて「大成功」と称することが許されよう。

ご尽力頂いた多くの関係者の皆さま、有難うございました。
すべては、これからです。

→ 関連記事「中国から略奪した文化財返還を」『しんぶん赤旗電子版』2022年4月21日

→ 関連映像「文化財返還運動から見通せること」UPLAN(20220420)

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