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「返還する」とはどういうことなのか?(予告) [研究集会]

「返還する」とはどういうことなのか? -特に朝鮮半島由来の文化財をめぐって-

日時:2022年 2月 19日(土)14:00-16:00
場所:高麗博物館(新宿区 大久保1-12-1 第2韓国広場ビル7階)
開催形態:参加費 1000円 会場20~25名 オンライン100名
主催:認定NPO法人 高麗博物館(03-5272-3510)
申し込み:電話あるいはホームページから

「共生社会の実現をめざして -わたしたちの31年-」と題された開館20周年記念企画展(2021.12.8~2022.3.6)に合わせた3回の講演会の2回目という位置づけである。
私が本件に関わり始めた十数年前にも、同所で同じような趣旨の企画展が開催された。

「失われた朝鮮文化遺産 -植民地下での文化財の略奪・流出、そして返還・公開へ-」
 展示期間:2009年 8月12日~11月29日

同時に刊行された図録では、敬天寺十層石塔から関野貞、大倉集古館資善堂、小倉コレクション、寺内文庫、軽部慈恩、潤松、北関大捷碑などについて図版と解説文が制作委員会によって作成されている。
当時は、入門者にとって数少ない貴重な手引書だった。
表紙裏に記された「ごあいさつ」を転載する。

「2010年は、日本による「韓国併合」100年にあたります。
 植民地解放から65年になります。
 植民地の傷跡は大きく、未だ清算されない未解決の問題が残されていますが、
 その一つが「略奪文化財」問題です。
 略奪文化財の原所有国への返還問題は世界的課題でもあるのです。
 従来の植民地大国の論理では、文化財保護・保存の技術的優位性を根拠に
 被植民地国への返還を拒否しています。
 しかし今日、国際社会では略奪文化財の返還に向けての模索がなされ、
 日本においても民間ベースでの多様な形での返還が進展しています。
 もはや、国家の論理だけでは通用しない時代となっています。
 日本にはたくさんの略奪文化財が所蔵されており、日本は略奪朝鮮文化財の「博物館」であり、
 出所不明の「埋蔵文化財」の宝庫ともみられます。
 植民地期の不法に搬出された朝鮮文化財については、再考する必要があると考えます。
 本企画展は、朝鮮文化財の歴史的経緯と現況の検証を通じて、「あるべき場所」への返還を願うものです。
 そして皆様の「略奪文化財」への関心と理解をお願いいたします。
 2009年8月12日
 高麗博物館」

こうした文章が記されてから、13年弱が経過した。
19日の発表は、この間に本件について、どれほど認識が新たになったのか、それとも変わっていないのか、そうした歩みを総括することになる。
いったい「返還する」とは、どういうことなのだろうか?
ただ奪われた<もの>が、元の場所に戻れば、それでいいのだろうか?
私たちの<もの>に対する欲望、そうした物欲を巡る心の問題、すなわち倫理についても考えたい。

積極的なご参加をお願いいたします。

タグ:文化財返還
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