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海南島近現代史研究会 第25回定例研究会、そして「アイヌ民族と博物館」 [研究集会]

海南島近現代史研究会 第25回定例研究会(予告)
日時:2020年 2月 8日(土)13時10分~17時
場所:国労大阪会館 1階ホール(大阪環状線 天満駅 徒歩5分)
主催:海南島近現代史研究会
主題:歴史認識と社会変革
・アジア大平洋における日本の国家犯罪 -アジア大平洋民衆の抗日反日闘争-(佐藤 正人)
・文化財返還問題について考える(五十嵐 彰)
・強制連行・強制労働の事実を子どもたちにどう伝えるか(鄭 初美)
・軍隊性奴隷の事実を子どもたちにどう伝えるか(皇甫 康子)
・植民地朝鮮における歴史認識と分断国家朝鮮における社会変革(金 靜美)
・討論:他地域・他国を侵略した国家犯罪、他地域・他国を植民地化した国家犯罪を認識しようとしない日本国家の政治・社会・文化・経済状況を解析し、民衆の歴史認識の方法を探求し、社会変革の具体的な道すじを討論の中で少しでも明らかにしていきたいと思います。

私の発表では、エキゾチック-戦利品-エシカル-社会的責任をキーワードに現在考えていることをお話しいたします。大阪近辺にお住まいの方で文化財返還問題に関心のある方は、是非ご参加ください。皆さんのご意見をお聞かせください。


アイヌ民族と博物館 -文化人類学からの問いかけ- 日本文化人類学会 公開シンポジウム(報告)
日時:2020年1月26日(日)13時~17時30分
場所:法政大学 市ヶ谷キャンパス 富士見ゲートG401教室
主催:日本文化人類学会
共催:法政大学国際日本学研究所、日本人類学会、日本考古学協会、北海道アイヌ協会
後援:文部科学省
・アイヌ工芸における博物館の役割(山崎 孝治)
・研究成果の還元と博物館活動 -収蔵資料のデータベース化を中心に-(斎藤 玲子)
・いま、世界の博物館で起こっていること -資料の管理と展示、その返還-(出利葉 浩司)
コメント(佐藤 宏之、篠田 謙一、阿部 一司、佐藤 幸雄)

前半2時間は発表3本(司会:太田 好信)、休憩後の後半2時間はコメントと討論(司会:窪田 幸子)だったが、後半の司会者が最後にいみじくも述べていたように、ここまで白熱・緊迫した討論も近年珍しいのではないか。
ラウンドテーブルを契機とした「研究成果の促進と公開」を目的とした研究集会も4回目となるが、こうした新たな状況の出現は、昨年からラウンドテーブルに参加した文化人類学会の主催だからなのか、公開を目前に控えた象徴空間あるいは研究倫理指針といった状況の故なのか。

討論の場で鋭く問われたのは、いったい何のために研究しているのか、という学問の根本的な問題である。
そうした問いに対して、当時の入手方法が全て遺法とは思わないといった論点を回避する応答、ある意味で開き直りの対応がなされていた。まず当事者としては、「遺骨を今まで放置してきた責任を、あなたはいったいどのように考えているのか」という問いかけに対する自分なりの応答ではないのか。このことは、すでに4年前に明確に指摘されていたはずである

糾弾された側の応答としては、最後の「閉会のご挨拶」において、現在の見方で過去は裁けないといったよく聞く論法も示されたが、これが2020年のことなのか、ほとほと呆れるばかりである。問われているのは、「研究倫理」なのである。
同じ人類学の名称を頂く「文化」と「形質」の研究者の間で、「火花が散る」場面も目にした。
本件を巡っては、こうした「バトル」の<場>が無さ過ぎた。
アメリカでもオーストラリアでも、こうした修羅場をいくつも潜り抜けて、今があるのではないか。

糾弾された側は、「研究対象となる個人や社会の権利は、科学的及び社会的成果よりも優先されなければならず、いかなる研究も先住民族であるアイヌ民族の人間としての尊厳や権利を犯してはならない」という「研究倫理指針(案)」の文言を今一度心に刻むべきであろう。

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