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2016:寒中見舞 [雑]

12月17日にはSV1出土の土器を実測・トレースしたという方をゲストにお招きして、「緑川東問題」に関する想定討論を行なった。ゲストの方にも真摯にご対応いただいた。ありがとうございました。
当初は「廃棄時説」を述べられていたが、最後には「製作時説」について納得して頂けたことと思う。

別の所にも少し書いたが、1年前の「緑川東問題」提出時は大枠での総論的な印象に留まっていたが、この1年間で個々の論点について少しずつ考えも深まり、「緑川東問題」の所在がかなり明確になってきた。
その真意は、第2考古学の核心に関わる重要問題である、というものである。

関わる焦点(focal point)はいくつかあるが、そのうちの一つは「もし廃棄時説に立つのなら、必然的に存在するはずの「浅い掘り込み」はなぜ確認できなかったのか?」という点にある。
これは、「廃棄時論者は、大形石棒の設置場所に存在したという敷石の除去について言及するが、当然存在したはずの炉の除去にはなぜ言及しないのか?」という更なる疑問に結び付いていく。

いずれにせよこうした諸論点についても、2月19日には全て明らかにされることだろう。

「緑川東問題」は、第2考古学の主要な論点である「考古時間論」と「部材論」と「ジェンダー考古学」の重複領域に位置する学史上重要な未解決問題である。

こうした流れを受けて12月24日のイブの日になされた2016年の最後のライブは、<TPQ>と<TAQ>という考古時間論の復習となった。
そして最後は、例年出題される「砂時計問題」すなわち「5分計と7分計で16分を計ってください」であった。

誰もがたどり着くであろう第1案は、「7×2+(5×3−7×2)×2=16」というやや煩雑な手続きを必要とする。
次に少しひねった第2案は、「5+(7−5)×2+7=16」というものである。
そして最終のとっておきの第3案は、「7×3−5=16」という極めてシンプルかつエレガントな答えである。

ここから導かれる教訓は、「立てて使うものだという思い込みを疑え」という前週からの流れを完全に体現した見事なものであった(自画自賛)。

最後に「考古学について考える」と題した時間のレポート課題を示す。

<もの>とは一般的に何らかの使用を目的として製作されます。
目的を遂行しているときに壊れれば、目的を果たすことができなくなり廃棄されます。
しかし壊れておらずまだ目的を果たすことができるにも関わらず、捨てられてしまう<もの>があります。
それはどんな<もの>でしょうか?
また使い終わり壊れていなくても、わざと壊して捨てられる<もの>があります。
それはどんな<もの>でしょうか?
最初から壊れた状態で作られる<もの>があります。
それはどんな<もの>でしょうか?
<もの>の形の完全性と<もの>の機能の遂行性について、以上の事例を踏まえてあなたの考えを述べて下さい。

さて、2017年はどのような年になるだろうか?


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