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文化財に関する諸問題検討会 [研究集会]

日本考古学協会 第3回文化財に関する諸問題検討会

日時:2015年11月30日 18:30~20:30
場所: 日本考古学協会 事務所(東京都江戸川区平井5-15-5 平井駅前共同ビル4階)

色々な経緯があって、今回初めて本検討会に参加した。
基本的に「クローズド」な集まりのようだが、私が参加できるのだから会員であれば誰でも参加できるのであろう。
より「オープン」な集まりになることを望む。

以下、これまでの経緯を簡単に記す。

2010年5月:日本考古学協会第76回総会(国士舘大学)審議事項(5)その他において、文化財返還に関わる委員会の設置および解決に向けた声明を提言する。
2010年6月:「政治的問題が絡むこと」(理事会)という理由により継続審議
2010年9月:「一学会が取り扱うべき事案ではなく」(国際交流委員会)という理由により却下
2011年5月:五十嵐・森本「文化財返還問題の経緯・現状・課題」(第77回総会(国学院大学)にて発表)

2013年4月:質問書提出、「国政レベルでの事案であること」という理由により継続審議
2013年5月:日本考古学協会第79回総会(駒沢大学)報告事項(17)その他において、「国政レベル」とは「国際問題」という説明により継続審議
2013年9月:協会担当理事2名と懇談
2014年4月:「勉強会の開催を検討」(理事会)
2014年5月:日本考古学協会第80回総会(日本大学)「情報収集を含めた勉強会を発足して対応すると報告」
2014年6月:「勉強会で情報収集を行なっていく」(理事会)
2014年10月:第1回文化財に関する諸問題検討会「イギリスの文化財について」参加者:発表者ほか担当理事2名および英文機関誌編集委員諸氏
2015年9月:第2回文化財に関する諸問題検討会「文化財に関する諸問題について」参加者:発表者ほか担当理事3名

御覧の通り紆余曲折、そしてようやく今回の検討会参加に至る訳である。
来年の総会では、「勉強会での情報収集」の成果がポスターセッションで公開されるとのこと。
ある意味で、ここからがスタートである。

【新刊案内】
あの岡本 俊朗氏が1977年に序文を翻訳して「帝国陸軍・日本考古学の「犯科帳」翻訳に参加しませんか?」(『見晴台のおっちゃん奮闘記 -日本考古学の変革と実践的精神-』:130-133.)と呼びかけたまま未完になっていた「あの本」である。

韓国の失われた文化財 -増補 日帝期文化財被害資料-日本語版12/15発売 (3,780円)
 韓国 国外所在文化財財団:企画 (著), 黄壽永:編 (著), 荒井信一 (監修), 李洋秀・李素玲 (翻訳)

【内容紹介】
 日本による侵略・強制占領期に行われた、韓国文化財の略奪と毀損に関する資料集。日本の学者による論文、関連記事、公文書などを収録した『日帝期文化財被害資料』(1973年、黄壽永博士編)の増補改訂版。
 韓国文化財の返還は、過去・現在を貫き、未来に向けて解くべき課題である。

【発刊の辞】
 韓国の国外所在文化財財団は韓日国交正常化五十周年を迎え、韓国国立中央博物館及び日本の市民団体である「韓国・朝鮮文化財返還問題連絡会議」(以下「連絡会議」とする)と共に、著名な美術史学者である故黄壽永博士の『日帝期文化財被害資料』を補完して新しく発刊することになりました。
 黄壽永博士は韓日会談当時、文化財分野の専門委員及び代表として活動され、不当に搬出されたわれわれの文化財を明るみに出し、還して貰うために尽力されました。黄博士は日帝強制占領期を前後して、数多くの文化財が被った受難の記録と証言を自ら収集して返還要求の根拠にしています。
 会談終了後も、その結果に満足できなかった黄博士は、一九七三年当時に至るまで集めた資料を整理して、『日帝期文化財被害資料』という題目の資料集を発行し、文化財の返還に少しでも寄与しようとされました。しかし制約が厳しかった当時の出版情勢のために、その業績は少数の研究者だけにしか知られて来ませんでした。今回わが財団が再発刊して、一般の読者にもその受難の記録を生々しく、広く伝えることで黄壽永博士の意を再考し、わが文化財の被害の様相が幅広く理解されることは意味が大きいと言えるでしょう。

【著者】
 黄 壽永(1918~2011) 前国立中央博物館長、前東国大学総長 第一世代美術史学者だった高裕燮(1904?1944)の門下生で秦弘燮、崔淳雨と共に「開城出身美術史学者三人衆」のうちの一人と指折られる。1958年から1965年まで韓日会談文化財小委員会で委員・代表として活動した。
【増補・日本語訳】
 李洋秀(韓国・朝鮮文化財返還問題連絡会議世話人)
 李素玲(東京・高麗博物館理事)
【解題】
  姜 靜(西江大学大学院・東南アジア学 協同過程教授)
  李 基星(韓国伝統文化大学・文化遺跡学科教授)

単行本: 535ページ
出版社: 三一書房 (2015/12/15)
言語: 日本語
ISBN-10: 4380150070
ISBN-13: 978-4380150074
発売日: 2015/12/15
商品パッケージの寸法: 21 x 15 x 2.6 cm

<収録内容>
カラー口絵16頁
I   資料
II   古墳とその出土品
III  陶瓷
IV   彫刻
V    建造物
VI   典籍
VII  絵画
VIII 石造物(塔、浮屠)

IX   工芸(鐘、玉燈、耳飾)
X    その他
特別付録  谷井済一『朝鮮通信』1~4(完)、考古学雑誌連載、古蹟調査関連人物解説
参考文献・索引

<関連イベント『韓国の失われた文化財』 出版記念ワークショップ
■日時:12月19日(土)14:00~16:30
■会場:大阪経済法科大学・東京麻布台セミナーハウス 2F研修室
   (港区麻布台1-11-5 TEL:03-5545-7789 地下鉄日比谷線「神谷町」1番出口より徒歩5分、地図:http://www.keiho-u.ac.jp/research/asia-pacific/access.html
■参加費: 500円 *本も販売します(3,780円)
■予定プログラム: 訳者・監修者挨拶(李洋秀・李素玲・荒井信一)
             意見・情報交換(『韓国の失われた文化財』を今どう読み、活用するか?)


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