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「韓国・朝鮮文化財返還問題を考える」 [研究集会]

<緊急シンポジウム> 韓国・朝鮮文化財返還問題を考える

日時: 6月12日(土) 15:30~18:00
会場:韓国中央会館(港区南麻布)別館3階 在日韓人歴史資料館セミナー室
主催:朝鮮文化財返還問題を考える会

「韓国文化財庁国立文化財研究所は今年1月に日本にある朝鮮文化財は6万1409点と発表しました。「日韓併合100年」の今年、宮内庁書陵部にある「朝鮮王室関係文書」や大倉集古館所蔵の「利川五層石塔」だけでなく、多くの韓国・朝鮮の文化財の流出経緯や返還問題が提起・注目され、外交問題になりつつあります。そこで、今まであまり知られていなかった韓国・朝鮮文化財返還問題を、まずは入門的なところから概観し、一緒に考える集いを持ちたいと思います。」(「案内チラシ」より)

<プログラム>
開会・趣旨説明(有光 健)
ビデオ上映・解説(李 洋秀)
国会議員挨拶(笠井 亮、石毛 えい子)
高麗博物館展示から見えてきたもの(李 素玲)
コメント(荒井 信一)
質疑・意見交換

6万1409点の文化財が、日本の何処にどのような状態で保管されているのかについては、日本国の責務として日本人研究者が責任をもって調査し、明らかにしなければならないのではないか。

「1915年の秋に、朝鮮総督府は韓日併合5周年を記念して、ソウルの景福宮敷地内で博覧会を開催しました。この会場には、韓国各地から国宝級の文化財が移され、展示されました。博覧会が終幕となって、この文化財は元の所在地に返還されず、文化財の蒐集に入れあげている大倉財閥の創始者の大倉喜八郎のような民間企業家に払い下げし、日本に運ばれました。この当時、大倉喜八郎は、李王朝の世子の学問所である資善堂という殿閣を解体して日本に持ち去り、利川五重石塔も1918年に無惨に解体して東京の大倉集古館の裏庭に設置しました。
利川五重石塔は、わが先祖たちの歴史の息吹きと生き様が込められているかけがえのない郷土の文化遺産です。日本の立場から見れば、この五重石塔がかつての隆盛強国の帝国日本の栄華をしのび、実証する証拠物ととらえるかも知れませんが、現在の韓日関係から見れば、利川五重塔が東京に所在するという事実は、むしろ恥ずべきこととは思われませんでしょうか?」(当日配布資料所収「利川五重石塔返還への呼びかけ文」より:6.)

まず本来あるべき<もの>ではないものがそこにあるという事実を明らかにする所蔵調査。
そして本来あるべきところにない<もの>を本来あるべき場所(チェザリ)に戻す返還運動。
そのためには、そうした<もの>がそこにあるということが「恥ずかしい」ことであるという歴史感覚をひとりひとりがしっかりと身に着けなければならない。

衆議院文部科学委員会8号(2007年4月6日)
「石井 郁子委員(共産党) (前略) これは1981年に財団法人小倉コレクション保存会が国へ寄贈しました。それで国立博物館所有になったものです。終戦前の朝鮮半島において南鮮電気社長であった小倉武之助氏が、占領下の朝鮮で最も貪欲に朝鮮美術を収集され、密航船をチャーターして日本へ持ち帰った収集家として知られているところでございます。
もう一点、これも大臣にお聞きしますけれども、東京芸術大学に保存され、重要文化財となっています金錯狩猟文銅筒、これはどこの国のものでしょうか。
伊吹国務大臣 これは、現在の韓半島の北朝鮮部分から出土をして、所有者から東京芸術大学に寄附されたというふうに伺っております。
石井(郁)委員 中国の漢時代のものだということになっておりますが、これも、昭和2年7月に、当時の東京美術学校が小場恒吉氏から購入した。昭和16年に国所有の重要文化財に指定されております。そのほかにも、有名な、我が国には16世紀に豊臣秀吉の朝鮮出兵時に日本に持ち帰った文化財、また日本が朝鮮併合や中国侵略によって朝鮮半島や中国大陸などから発掘や略奪によって日本に持ち帰ってそのまま所有している、所蔵している文化財というのは相当数に上るわけでございます。これらの実態については調査はされているんでしょうか。
高塩政府参考人(文化庁次長) お答えします。調査はしておりません。」(同:21.)

最近、文化財返還問題を含む戦後補償に関する超党派の国会議員連盟も結成されたとの報告があった。国政レベルでも、状況は確実に進展している。
果たして「日本考古学」は、どうだろうか。

ある特定の主題についてなされた問題提起に対して、どのような対応がなされるかによって、問われた組織自身(もう少し正確に言うと運営に責任を負っている人々)の問題意識が明らかになる。
自分たちにとって都合の悪い事柄は、様々な理由をつけて取り上げず見なかった聞かなかったことにして無視する。自分たちの都合のいいことだけを取り上げて、自分たちを取り巻く社会とは積極的には関わらず仲間内でのみ称え合う。

独り善がりな組織に発展性はないだろう。
社会からの問いかけに真剣に耳を傾け応答するように努力する学問を構築したい。


タグ:文化財返還
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