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ミュージアム情報管理と学際的広がりを考える [拙文自評]

五十嵐 彰・杉本 豪 2008 「ミュージアム情報管理と学際的広がりを考える:
全国埋蔵文化財センターデジタル・データ調査とアクト考古学について」
『日本ミュージアム・マネージメント学会会報』第47号(Vol.12 No.4)、
日本ミュージアム・マネージメント学会(JMMA):20-25.

殆ど忘れかけていた文章が、共著者から送られてきた。
何で自分が第1著者になっているのかすら、今となっては判然としない状況である。

1) 情報管理とIT化の現状
2) 全国埋蔵文化財センターデジタル・データ調査
 2-1)調査概要
 2-2)ウェブ調査結果の一部
 2-3)個人・アンケート調査の一部
3) 行動第一主義とアクト考古学
4) 将来像のイメージとさらなるアクション

「本稿の目指すものは、こうした考古学における情報化の状況をミュージアム関係者に紹介するとともに、情報管理における将来的な協力のための議論を促すことにある。」(20.)
「情報考古学という分野を中心とした緩やかで学際的・世界的な人材ネットワークの構築を目指している。インターネットに代表されるようなグローバル化が進展する状況下で、このような国境を越えたネットワークの可能性はますます大きくなっている。とりわけミュージアムが扱うような文化遺産は、人間の歴史の所産、世界の財産であるから、一国のみの事象で成り立つものではありえない。貴重な文化財情報の国際的共有という観点からも、こうしたコミュニティーが今後重要性を帯びてくることに疑いはない。
我々の活動が他の多くの調査と根本的に異なる点は、単なる調査で終了するのではなく、調査から得られた結果をもとに、問題解決のための主体的行動を起こしたことである。その名のとおり、「行動する考古学」を実践している。」(23.)

彼に出会わなければ、根っからのアナログ人間の私なぞは、決してこうした世界に首を突っ込むことはなかったであろう。現に今現在でさえ、「インデザイン」という名の編集ソフトに四苦八苦している有様である。

「ネットが悪や汚濁や危険に満ちた世界だからという理由でネットを忌避し、不特定多数の参加イコール衆愚だと考えて思考停止に陥ると、これから起きる新しい事象を眺める目が曇り、本質を見失うことになる。
日本だけでも数千万、世界全体で見れば数億から10億以上という不特定多数の膨大さ、それゆえの「数の論理」、それらを集約するためのテクノロジーの進化の加速やコスト低下、そういう諸々の要因を冷静に見つめ、「不特定多数の集約」という新しい「力の芽」の成長を凝視し、その社会的な意味を、私たちは考えていかなければならないのだ。
不特定多数無限大の良質な部分にテクノロジーを組み合わせることで、その混沌をいい方向へ変えていけるはずという思想を、この「力の芽」は内包する。そしてその思想は、特に若い世代の共感をグローバルに集めている。思想の精神的支柱になっているのは、オプティミズムと果敢な行動主義である。」
(梅田望夫2006『ウェブ進化論 -本当の大変化はこれから始まる-』ちくま新書582:206-7.)

一人一人の僅かな意識変革すなわち「力の芽」が、やがて大きな変革につながることになろう。
ある個人の努力によって、考古学に関連するリンクページができた。
こうした試みが起点となって大きく育っていけば、「日本考古学」が変革していく重要な契機になるだろう。キーコンセプトは、オプティミズムと行動主義である。


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